「CADの職業訓練は本当に役立つの?」と疑問をお持ちではありませんか。
特に未経験からスタートする場合、無料でどこまで学べるのか、そして就職に繋がるのかが気になるのではないでしょうか。
CADの職業訓練は基礎スキルを無料で学べ、就職支援も整っているためキャリアアップに効果的です。
この記事では、訓練内容や受講のメリット・デメリットなどをわかりやすく解説していきます。
読後には、CADの職業訓練の基礎知識とその後に目指せるキャリアについてしっかりと理解できるでしょう。

目次
CADの職業訓練とは
CADの職業訓練は、主に失業中の求職者が新たなスキルを身に付けて再就職を目指すための公的なプログラムです。
多くのコースは6ヵ月間に設定されており、機械CADや建築CAD、3次元CADなど目的に応じたカリキュラムが組まれています。
CADの職業訓練は、就職に活かせる知識やスキルを費用をかけずに習得できる点が大きな魅力です。※教材費などの一部の費用は受講者負担
学べるスキル
CADの職業訓練では、実務に直結した幅広いスキルを習得できます。
CADソフトの基本操作や3次元CAD(BIM)の実習が含まれ、理論と実践のバランスを取りながらスキルを磨くことが可能です。
例えば、建築分野であれば建築物の構造や、関連法規に関する知識も講義形式で学べます。
使用するソフトは、業界で広く使われるAutoCADやSolidWorksなどで、未経験者でも実践的な技術を得られる環境が整っています。
▼あわせて読みたい
学習環境
CADの職業訓練は学習環境も充実しており、パソコンと業界標準のCADソフトが完備された実習室で学びます。
さらに、専門講師が指導に当たるため、独学では理解が難しい部分も丁寧にフォローしてもらえるでしょう。
講師の経験と知識を活かした実践的な授業により、体系的にスキルを身に付けられる点がメリットです。
申し込み方法と受講条件
CADの職業訓練の申し込みは、ハローワークを通じて行います。
最初にハローワークで相談し、希望するコースを選択。
その後、所定の書類を提出し、選考試験を受けます。
選考試験は筆記や面接が中心で、学習意欲や適性を見られます。
多くのコースは求職者を対象としており、雇用保険の受給資格がある場合、手当を受けながら学ぶことが可能です。
CADの職業訓練を受けるメリット・デメリット

この章では、CADの職業訓練を受けるメリット・デメリットを解説します。
CADの職業訓練を受けることで得られるメリットは多いですが、デメリットも考慮して検討してください。
メリット:就職できる分野や職種の幅が広がる
一つ目のメリットは、就職できる分野や職種の幅が広がることです。
CADの基本的な知識と操作スキルを身に付けることは、建築、製造、設計などの業界で活躍する一歩となります。
さらに、コースによっては職業訓練を通してCADの資格取得が可能です。
資格が取得できれば就職活動が有利になり、未経験者でも幅広いキャリアパスを描くことができます。
企業からの信頼も高まるでしょう。
メリット:効率的に学べる
二つ目のメリットは、効率的に学べる環境が整っていることです。
特に専門講師による指導が受けられる点は大きく、独学でつまずきやすい箇所も理解しやすいでしょう。
疑問が生じた際にすぐ質問できるため、時間を無駄にせず効率的に進められます。
さらに、カリキュラムは基礎から応用まで段階的に進んでいき、自身で学習スケジュールを組む必要がありません。
計画的に進められるのでモチベーションを維持しやすいのです。
デメリット:週5日の受講が必要
一方でCADの職業訓練のデメリットは、多くのコースで数ヵ月間、週5日の受講が求められることです。
そのため、家庭の事情があったり体調が優れなかったりする場合は、訓練の継続が難しく感じるかもしれません。
不安がある方は他の学習方法も検討しながら、自分に合った学び方を見つけてみてください。
▼あわせて読みたい
CAD職業訓練・受講者の体験談
CADの職業訓練におけるメリット・デメリットを理解したうえで、実際に訓練を受けた方の体験談をご紹介します。
マシニングCAD科受講者の声
訓練では、機械関連の知識がない私にも理解ができるように基礎から丁寧に教えていただきました。先生方は、質問に対してもいつも快く応じて答えてくれてくれます。私にとって初めての転職でしたが、応募書類の書き方や面接の練習、就職後に役立つ知識までを就職支援アドバイザーから教えていただくなど、再就職に向けた手厚いサポートもありました。
引用:ポリテクセンター群馬「利用者の声(求職者向け職業訓練 機械系)」
CADスクール受講者の声
職業訓練校ではありませんが、弊社が実施したCADスクールの受講者の声も併せてご紹介します。
元々CADに興味があり受講しました。
1ヶ月の研修は凄く面白かったです。
同期の人も講師の方も良い人で教え方もとても丁寧でした。
現在は地盤調査の結果を纏めたり、地層の断面図とか平面図などをCADで作成しています。
引用:CADビギ
CAD職業訓練の選び方と選考試験のポイント

続いて、CAD職業訓練の選び方と、選考試験のポイントについて述べていきます。
自分に合ったコースの選び方
コースを選ぶ際は、自身の目標とキャリアに合った内容かどうかを確認して決めましょう。
CAD職業訓練の各コースは、学べる内容や使用するCADソフトが異なり、得られるスキルも変わります。
例えば、建築分野で活躍したいなら建築CADソフト(Revitなど)を使用するコース、機械設計に興味がある場合は機械CADに特化したコースが適しています。
その他、訓練期間やコース終了後の就職支援がどの程度あるかもコース選びの重要な要素です。
選考試験で成功するためのポイント
選考試験を突破するには、しっかりとした準備が必要です。
まず、筆記試験の対策として過去問を活用しましょう。
過去問を解くことで、出題傾向を把握し、試験本番に落ち着いて対処できるようになります。
また、よく出題される分野を事前にチェックしておけば、自信を持って試験に挑めるはずです。
次に、面接ではシンプルに伝えること、意欲をアピールすることが大切になります。
シンプルに伝えるために、以下の点を意識してみてください。
- ポイントをまとめる:詳細に入る前に、簡単な背景や成果を一言でまとめる
- 答える時間を意識する: 長々と話さず、質問に対してストレートに答える そして意欲をアピールする際には、次の内容を熱意を持って伝えることがポイントです。
- なぜCAD職業訓練を受けたいのか
- どのようにキャリアに結びつけたいのか
伝えたい内容を整理して、面接本番には落ち着いて臨みましょう。
CAD職業訓練の就職支援と目指せるキャリア
CADの職業訓練では、手厚い就職支援が行われます。
サポート例
- 履歴書や職務経歴書の作成支援: 適切な応募書類の書き方を指導
- 面接対策:模擬面接を通じて受け答えのスキルを向上
- 企業紹介・斡旋: 訓練中や修了後に、CADスキルを活かせる企業や職種の情報を提供し、就職をサポート
このようにキャリアサポートが充実しているため、就職活動をスムーズに進めることが可能です。
以下より、CADの職業訓練後に目指せる具体的なキャリアを三つご紹介します。
建築CADオペレーター
建築CADオペレーターは、建築士の指示のもとで建築物の設計図を作成する職業です。
2D CADを用いた図面作成が基本となりますが、近年では3D CADやBIM(Building Information Modeling)を活用する機会も増えています。
資格を取得して建築士へステップアップすることも可能で、設計のプロフェッショナルとしてキャリアを広げられます。
▼あわせて読みたい
機械CADオペレーター
機械CADオペレーターは、機械部品や製品の図面をCADソフトで作成する職業です。
3D CADスキルが求められ、立体的な設計を正確に表現する技術が必要です。
機械CADオペレーターから、さらにキャリアを発展させる道もあり、機械設計やプロダクトデザインといった専門性の高い分野を目指すことができます。
3D CADオペレーター
3D CADオペレーターは、3Dモデリングのスキルを活かして、製造業、建築業、自動車産業など多岐にわたる業界で活躍できます。
具体的には、製品や建築物の立体モデルを作成し、設計図や図面の作成をサポートする業務が中心です。
実務経験を積むことで、設計エンジニアなどへキャリアアップも可能。
紹介してきたキャリアの中で、特に就職の選択肢が豊富な職種といえるでしょう。
CAD職業訓練を活かして取得可能な資格

この章では、CADの職業訓練で取得できる資格を二つご紹介します。
▼あわせて読みたい
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が実施する、CADの操作スキルや知識を評価する資格試験です。
2次元と3次元の両方に対応しており、それぞれの分野における技術力を測ります。
2次元CAD利用技術者試験では図面を正確に理解し、作成を効率よく進めるスキルが求められ、設計・製造の現場で活用される知識が試されます。
一方、3次元CAD利用技術者試験では、3Dモデリングや設計の高度なスキルが評価され、より専門的な業務に対応できる能力を証明できます。
2次元は基礎・2級・1級(機械・建築・トレース)、3次元は2級、準1級、1級に分かれています。
参考:一般社団法人コンピュータ教育振興協会「CAD利用技術者試験」
建築CAD検定試験
建築CAD検定試験は、建築図面の作成能力を証明するための資格です。
一般社団法人全国建築CAD連盟が実施し、建築業界で求められる実践的なCADスキルを評価します。
4級から準1級までのレベルが設定されており、級が上がるにつれて、より高度な図面作成や設計スキルが問われます。
建築CAD検定は業界で広く認知されているので、試験に合格すればCAD関連の職に就く可能性が高まるでしょう。
参考:建築CAD検定試験
CAD職業訓練の費用・支援制度

CADの職業訓練は基本的に無料で受講でき、条件によっては支援制度を活用することも可能です。
以下より、CADの職業訓練で利用できる支援制度をご紹介します。
職業訓練受講給付金
職業訓練受講給付金は、雇用保険の受給資格がない求職者を対象とした制度で、月額10万円が支給されます。
給付金を受けるためには、ハローワークを通じて所定の職業訓練に参加し、一定の出席率(80%以上)を維持する必要があります。
また、訓練中の交通費も補助されるため、経済的な負担を軽減しながらスキルを習得することが可能です。
受給には複数の条件がありますので、詳しくはこちらをご確認下さい。
厚生労働省「職業支援・給付金などについて知る|ハロトレ特設サイト」
求職者支援資金融資
求職者支援資金融資は、生活費に不安がある職業訓練の受講者をサポートする融資制度です。
職業訓練受講給付金の受給者を対象とし、貸付金額は単身者が月額5万円(上限)、扶養家族がいる方は月額10万円(上限)で、受講する訓練の期間に応じて総額が決まります。
利率は2%(うち信用保証料0.5%)で担保・保証人は必要ありません。
具体的な条件や詳細は以下をご覧下さい。
技能習得手当
技能習得手当は、雇用保険受給者が職業訓練などを受講する際に支給される手当です。
支給内容は、受講手当(日額500円、上限2万円)と通所手当(交通費の補助、月額最高42,500円)が含まれます。
さらに、職業訓練のために自宅を離れて寄宿する場合には、寄宿手当も支給される場合があります。
詳しくはこちらをご確認下さい。
CADのお仕事探しはアットキャドへ

アットキャドは、業界トップクラスの求人数を持つ、CADオペレーターやBIMオペレーターに特化した人材派遣・人材紹介サービスです。
20年以上の実績を持ち、スーパーゼネコンや大手設計事務所を含む2,600社以上と取引実績があり、業界トップクラスの求人数を誇ります。自社に設計部を設けているため、実際に図面を描くプロフェッショナルが在籍し、迅速なサポートが可能です。
研修制度も充実しており、初心者から経験者まで幅広く対応。登録から就業後まで徹底したフォローを行いますので安心してお仕事を探すことができます。
さらに、業界トップクラスの求人数があることから、転職のサポートも行っています。未経験からCADオペレーターやBIMオペレーターになりたい場合や、CADオペレーター・BIMオペレーターとしてキャリアアップしたい場合など、さまざまなケースに対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。
CADの職業訓練・まとめ
CADの職業訓練は、無料で就職に役立つ知識とスキルを習得できる制度です。
訓練内容は、建築CADや機械CAD、3次元CADなど多岐にわたり、専門講師による実践的な指導で効率よく学べます。
CADスキルを学びキャリアを広げたい方は、最寄りのハローワークで情報を確認し、職業訓練への参加を検討してみてください。
▼あわせて読みたい

