「CADを学びたいけど、何から始めたらいいのかわからない…」と悩んでいませんか?
初心者にとってCADは専門的なイメージが強く、ソフトの選び方や学習方法に戸惑うことが多いものです。しかし、CADは誰でも始められるツールであり、正しいステップを踏めば短期間でスキルを習得できます。
この記事では、CAD初心者に向けて基礎知識やソフトの選び方、効率的な学習方法を徹底解説。初めての人でも実践しやすい具体的な手順をご紹介するので、挫折せずにスキルアップを目指せます。
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目次
CADとは

CAD(Computer Aided Design)は、設計や図面作成をデジタルで行えるツールです。従来の手書き図面では難しかった迅速な修正が可能になり、さまざまな業務に活用されています。
(CADの業務内容例)
- 図面の作成・修正:建築や機械部品の設計図を正確に描き、必要に応じて修正する
- 立体モデルの作成:3Dモデルで完成イメージを視覚化し、設計の精度を向上
- データ管理:設計データを効率的に保存・共有する
CADが使われる分野
現在、CADは多様な分野で利用されており、それぞれの業界で異なる役割を果たしています。主な活用分野とその特徴は次のとおりです。
- 建築分野:建物の設計図や構造図を作成する。平面図や立面図など、建築設計には欠かせないツールとなっている
- 機械分野:機械部品や製品の設計に使用される。動作シミュレーションも可能
- 土木分野:橋梁や道路の設計図を作成し、大規模な土木プロジェクトを効率化する
- インテリア分野:家具や室内装飾のデザインをCADで描き、完成イメージを作り上げる
CADを使用するために必要なスキル
CADを扱う際は、以下の三つのスキルが必要になります。これらのスキルは初心者でも無理なく習得できる内容であるため、今の時点で自信がなくても心配はいりません。まずは、自分にスキルがあるかをチェックしてみましょう。
- 基本的なPCスキル:ファイルの保存やショートカットキーの使用など、基本的なコンピューター操作
- 図面の読み書きスキル:設計図の見方や記号の意味を理解する力
- CADソフトの操作スキル:各ソフトの基本操作を習得することで、スムーズに作図作業を進められる
これらを踏まえたうえで、次章ではCADソフトの種類や学習方法について解説していきます。
CADソフトの種類
CADソフトは、2Dと3Dの2種類に分かれます。それぞれの特徴や向いている分野を理解して、自分に適したソフトを選びましょう。
2D CAD
2D CADは、平面図や断面図など2次元の図面作成に特化した設計ツールです。三角法(※)を用いた画面により、物体の形状を視覚的に把握できます。建築や機械設計、インテリアデザインなど幅広い分野で活用され、手書き製図に近い感覚で作業できる点が特徴です。
※三角法…正面、平面、側面など複数の視点から描く製図の技法
3D CAD
一方、3D CADは、立体的なモデルを作成できる設計ツールです。平面で表現することが難しい複雑な形状や構造を視覚化でき、建築や自動車、製造分野などで活用されています。
完成品のシミュレーションも可能で、部品の動作確認や構造解析が容易です。設計段階で問題点を発見しやすくなるため、コスト削減や作業の効率化につながります。
初心者におすすめのCADソフト

この章では、初心者におすすめのCADソフトを三つご紹介します。ソフト選びの参考にしてください。
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Jw_cad

Jw_cadは、国産の2D CADソフトです。初心者からプロまで幅広く活用されており、無料ながらも機能が多い点が特徴。操作に慣れるまで時間がかかる場合もありますが、公式の情報交換室やそれ以外のサポート情報も多く、初心者でも安心して学習を進められます。

価格 | 無料 |
対応機能 | 2D |
操作の難易度 | 独自の設定や操作が含まれるため、慣れるまで時間がかかる |
おすすめ用途 | 建築分野の平面図作成 |
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AutoCAD

AutoCADは、多くの業界でもっとも高い使用率を誇る、汎用性の高いCADソフトです。建築、機械など様々な分野で活用され、2D製図から3Dモデリングまで対応可能な多機能性が特徴。AutoCADを習得することで、設計や製図のスキルを活かせる仕事の選択肢が大きく広がります。

価格 | ・サブスクリプション:8,800円~/月 ・従量課金制:42,900円~/1年の14日分~ |
対応機能 | 2D/3D両方 |
操作の難易度 | 多機能でやや難しい |
おすすめ用途 | 多目的に広く使える |
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Fusion 360

Fusion 360は、初心者でも使いやすい3D CADソフトです。3Dモデリングや解析機能を備え、個人利用や教育目的であれば無償体験版で手軽に始められます。設計から製造までの流れを一つのソフトで体験できるため、製造業やデザイン分野に興味がある初心者に最適です。
価格 | 12,100円~/月 ※無償体験版あり |
対応機能 | 3D中心(2Dも可能) |
操作の難易度 | 直感的で初心者に優しい |
おすすめ用途 | 製品設計など |
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初心者のCAD習得ステップ

続いて、CADを学ぶための具体的なステップを3段階で解説していきます。
ステップ1: ソフトをダウンロードして操作してみる
まずは、CADソフトをダウンロードして実際に操作してみましょう。基本的な操作感やツールの配置、使い勝手を知ることは、スムーズな学習への第一歩です。
前述した、Jw_cadやFusion 360などの初心者向けソフトを選んでインストールし、チュートリアルやサンプルデータを使って試してみてください。この段階では細かい操作にこだわらず、ツールを使う楽しさを感じながら進めることが大切です。
ステップ2: 基本操作を練習する
次にCADの基本操作に慣れるため、線を引く、図形を描く、寸法を設定するといった基本操作を繰り返し練習しましょう。
例えば、直線や円、四角形を描いて、それを移動、回転、コピーする操作を試してみてください。また、寸法を設定したり、注釈を追加したりする作業を行うことで、設計作業の基礎を身に付けることができます。
ステップ3: 簡単な図面を作成する
基本操作を覚えたら、簡単な図面作成に挑戦してみましょう。図面を作成する過程で、線や図形の配置、レイヤー管理といった実践的なスキルを学べます。また、完成までの流れを体験することで、自信やモチベーションアップにもつながります。
最初は、すでにあるものをモデリングするのもおすすめです。例えば身近な家具や簡単な間取り図を参考に作図すれば、練習内容がより具体的になり、操作への理解が深まります。
CAD初心者が抱えやすい悩みとその解決策

ここからは、CAD初心者が抱えやすい悩みとその解決策を紹介していきます。CAD学習の過程でつまずいた際は、参考にしてみてください。
操作が難しい
初めてCADソフトを触ると、多くのツールや専門用語に戸惑い、基本操作が難しく感じる場合があります。このようなときは、初心者向けの動画やチュートリアルを活用して、少しずつ画面の操作や基本機能に慣れていきましょう。
公式サイトやYouTubeで提供されているチュートリアルでは、線の引き方や寸法の設定などを動作ごとに学べます。焦らずに一つずつ取り組むことで、自然と操作に慣れることができます。
作図や設計の知識が不足している
CAD初心者が直面しやすい課題の一つに、製図や設計の知識不足があります。製図の基礎知識や設計の概念が分からないと、図面作成で手が止まり「自分には向いていないのでは?」と感じることも少なくありません。
製図や設計の知識は、初心者向けの入門書や講座で学ぶことができます。例えば、製図の記号や図面の構造を理解するだけでも、図面の見方や描き方が格段に分かりやすくなり、CADスキルの習得もスムーズに進むでしょう。
自分に合った学習方法がわからない
CADを始めるときは、どの方法で学ぶべきか迷う人が多いかもしれません。代表的な学び方とそれぞれの特徴を以下にまとめました。
学び方 | メリット | デメリット | 向いている人 |
独学 | ・費用が安い ・自分のペースで学べる | ・質問できる相手がいない ・モチベーションの維持が必要 | ・コストを抑えたい人 ・自分で計画を立てられる人 |
スクール | ・実践的かつ体系的に学べる ・就職支援があるスクールも多い | ・費用が高い ・通学やスケジュール調整が必要 | ・短期間でスキルを習得したい人 ・CAD関連の就職や転職を目指している人 |
オンライン講座 | ・どこでも学べる ・動画形式で繰り返し視聴できる | ・対面指導よりフォローが少ない ・モチベーション維持が必要 | ・自分のペースで進めたいが、一定のサポートも欲しい人 |
職業訓練校 | ・費用が抑えられる(補助あり) ・就職支援が充実 ・実務的なカリキュラム | ・入校に条件がある場合がある ・スケジュールが固定 | ・費用を抑えたい人 ・転職やキャリアアップを目指す人 |
最初は独学で学び、必要に応じてスクールや職業訓練校を検討するのもよい方法です。無料の動画教材や体験講座で基本操作を試し、操作に慣れたら、スクールのカリキュラムや就職サポートが充実した訓練校を比較してみましょう。
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就職やキャリアへの不安
未経験からCAD関連の仕事に挑戦する際、スキル不足や実務経験のなさに不安を感じる人も多いでしょう。 「自分にできるのか」「どのスキルが必要か」といった疑問が浮かぶこともあるかもしれません。
しかし、未経験でもCADのキャリアを始めることは十分可能です。未経験から就職を目指す場合、以下の三つを実践してみましょう。
- 未経験歓迎の求人を探す: 基礎から学べる研修制度を整えている企業を選ぶと安心
- CADの資格を取得する:資格はスキルの証明となり、履歴書でもアピールできる
- ポートフォリオを作成する:自作の図面をまとめることで実力を示し、採用率を高める
しっかり準備を整えることで、新たなキャリアにも自信を持って挑戦できます。
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CADの勉強はCADビギにおまかせ下さい!

アットキャドが提供する「CADビギ」は、未経験者でも安心してCADを学べる無料の研修サービスで、AutoCADのソフトの使い方を習得したい方におすすめです。
実務経験豊富な講師が10日間で基礎から丁寧に指導し、建築基礎やCAD作図法を習得できます。卒業生は多くの分野で活躍しており、同期や先輩とのサポート体制も充実しています。
研修中にアットキャドから就業先を紹介してくれる点や、就業先の要望があればそれに合わせて研修ができるため、キャリアアップやキャリアチェンジを目指す方に最適です。受講者からは、効率的な学びと実務での即戦力化が高く評価されています。
これからCADスキルを身につけたい方は、「CADビギ」で新たな一歩を踏み出しましょう。
初心者がCAD学習を続けるためのコツ

最後に、初心者がCAD学習を続けるためのコツを三つご紹介します。
短期と長期の目標を決める
初心者がCAD学習を続けるためには、具体的な目標設定が大切です。
「CADを学びたい」という漠然とした思いでは、モチベーションが続かず挫折しやすくなります。短期と長期の目標を設定することで、学習の方向性が明確になり、意欲を保ちながら学習を進めることが可能です。
(目標例)
- 短期目標:1ヵ月で基本操作を習得する
- 長期目標:CAD利用技術者試験(※)の合格、未経験からCADオペレーターとして働くなど
※CAD利用技術者試験…CADソフトを使った図面作成や設計のスキルを証明する、認知度の高い資格試験
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作業環境を見直す
CAD学習を効率よく進めるには、快適な作業環境を整えることが重要です。PCスペックと作業スペースを確認してみましょう。
PCスペックが不足しているとソフトの動作が遅くなり、作業が思うように進みません。以下の条件を満たすPCが推奨されます。
- Core i7以上のCPU
- 32GB以上のメモリ
- 10GB以上のSSD など
スペックが不足している場合は、アップグレードや買い替えを検討してください。また、静かな作業スペースや適切な高さの机や椅子を用意することで、集中しやすくなります。快適な環境を整え、無理なく学習を続けましょう。
オンラインコミュニティに参加する
CADは覚えることが多く挫折しやすい傾向がありますが、学習仲間やオンラインコミュニティを活用することでモチベーションを維持できます。
オンラインのCAD学習者向けグループやフォーラムでは、質問に対するアドバイスを得たり、仲間から刺激を受けたりすることが可能です。また、自分の質問や共有した成果が記録されるため、学習の進捗を振り返りやすく、達成したタスクを確認することで自信を深められます。
工夫しながら楽しくCADを習得しましょう。
まとめ
この記事では、CAD初心者が最初に知っておくべき基本情報と学習の進め方について解説しました。要点は以下のとおりです。
- CADはデジタルで設計や図面作成を行うツールで、幅広い分野で活用されている
- 学習方法には独学、スクール、オンライン講座などがあり、自分に合った方法を選ぶ
- CADソフトをダウンロードし、基本操作を繰り返し、簡単な図面作成を行うことで習得できる
効率的にCADスキルを習得し、実務に活かしたい場合は「CADビギ」がおすすめです。無料で基礎から学べ、修了後には就業機会も得られます。ぜひ詳細をご覧下さい!

