紹介予定派遣という就業形態では、最初は派遣社員として働き、ゆくゆくは正社員を目指せるといわれています。しかし、果たして本当に正社員採用してもらえるものなのでしょうか。
応募方法や成功するポイントについても気になるところです。この記事では、紹介予定派遣の定義からそのメリットやデメリット、求められる背景までを解説いたします。紹介予定派遣に憧れている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣とは、派遣社員として一定期間働いた後、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶことを前提とした労働者派遣の形態です。この制度は2000年に開始され、労働者派遣と職業紹介の要素を組み合わせたものとして知られています。
ここでは通常の派遣との違いや待遇・給与、また企業が採用する背景を解説します。
定義と一般的な仕組み
紹介予定派遣は、派遣元事業主が労働者派遣の開始前または開始後に、派遣労働者および派遣先に対して職業紹介を行うことを予定して実施されるものです。派遣期間中に、派遣先企業と派遣労働者の双方が適性や業務内容を確認し、双方の合意が得られれば、派遣期間終了後に直接雇用契約を締結します。
通常の派遣との違い
通常の派遣では、就業開始前の面接や履歴書の送付など、派遣先企業が労働者を特定することを目的とした行為は禁止されています。しかし、紹介予定派遣では将来的な直接雇用を前提としているため、派遣就業開始前または就業期間中の求人条件の明示や求職の意思確認、採用内定といった行為が例外的に認められています。
派遣期間中の待遇・給与
紹介予定派遣の派遣期間は、労働者派遣法により最長6ヵ月に定められています。この期間中、派遣労働者は派遣元企業と雇用契約を結び、給与や福利厚生などの待遇を受けられます。
派遣期間終了後、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶ際には、待遇や給与が変更されるケースがあります。また、直接雇用後の試用期間の設定は認められていません。
企業が採用する背景
企業が紹介予定派遣を採用する背景には、以下の3つの要因が考えられます。
- ミスマッチの防止
- 採用コストの削減
- 早期離職の抑制
派遣期間中に労働者のスキルや適性、職場への適合性を見極めることができれば、採用後のミスマッチを防ぐことができます。 また、紹介予定派遣では派遣会社が人材の選定や面接調整などを行うため、企業は採用活動にかかる手間やコストを軽減可能です。
採用した派遣労働者との相性は、派遣期間中に確認できるため、直接雇用後の早期離職を防ぐ効果も期待できます。紹介予定派遣は、企業と労働者双方にとって、適切なマッチングを図るための有効な手段となり得ますが、制度の特性や課題を十分に理解したうえでの活用が重要です。
紹介予定派遣の流れ

紹介予定派遣の定義を理解したところで、ここからは紹介予定派遣として働く流れについて解説します。派遣期間中の待遇と直接雇用後の待遇は異なる場合があるため、事前に労働条件を確認しておきましょう。
派遣会社への登録と求人応募
まず、求職者は派遣会社に登録しましょう。派遣会社の案内で、履歴書や職務経歴書の提出やスキルチェック、キャリアカウンセリングなどが行われます。この結果をもとに、派遣会社は求職者の希望やスキルに合った求人情報を提供し、適切な派遣先を紹介します。
条件が合ったり、興味を持てたりしたら希望を伝えましょう。
書類選考と面接
派遣会社から紹介された求人に応募すると、派遣先企業による書類選考や面接が行われます。通常の派遣契約では、派遣先企業が派遣社員と直接面接を行うことは法律で禁止されていますが、紹介予定派遣は直接雇用を前提としているため、事前の書類選考や面接が認められています。
これにより、企業は求職者のスキルや人柄を確認し、求職者も企業の雰囲気や業務内容を把握することができます。
派遣期間(最長6ヵ月)の就業
選考を通過すると、派遣社員として派遣先企業での就業が開始します。この派遣期間は、労働者派遣法により、最長6ヵ月と定められています。
派遣期間中、派遣社員は派遣会社との雇用契約の下で就業し、給与や福利厚生などの待遇も受けることが可能です。この期間中、派遣社員は実際の業務を通じて自身の適性や職場環境を確認し、企業も派遣社員の能力や適応性を評価することになります。
派遣先企業との直接雇用契約締結
派遣期間終了時、派遣社員と派遣先企業の双方が直接雇用を希望した場合、問題なく直接雇用契約が締結されます。この際、雇用形態や給与、福利厚生などの労働条件が正式に取り決められます。
一方、どちらか一方が直接雇用を希望しなかった場合、派遣契約は終了です。直接雇用が成立しなかった場合でも、派遣社員は派遣会社と相談し、次の就業先を探すサポートを受けられます。
紹介予定派遣には、企業と求職者双方にとって、実際の業務を通じて適性や相性を確認できるメリットがあります。しかし、必ずしも直接雇用が保証されているわけではないため、派遣期間中のパフォーマンスやコミュニケーションが重要です。
紹介予定派遣のメリット

紹介予定派遣には、通常の派遣にはないさまざまなメリットが存在します。ここからは、そのなかでも代表的な3つのメリットを紹介します。
職場の雰囲気や業務内容を事前に確認できる
紹介予定派遣では、派遣社員として最長6ヵ月間、実際の職場で働くことができます。これにより、職場の雰囲気や人間関係、業務内容を直接体験し、自分に適しているかを見極めることが可能です。
通常の就職活動では、面接や説明会だけで企業を判断する必要がありますが、紹介予定派遣では実際の業務を通じて確認できるため、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
未経験の業種・職種に挑戦しやすい
紹介予定派遣は、未経験の業種や職種へのチャレンジをサポートする仕組みでもあります。企業側にも派遣期間中にスタッフの適性や成長の可能性を見極められるメリットがあるため、「未経験OK」の求人も少なくありません。
これにより、未経験者でも新たな分野に挑戦しやすくなっています。
派遣会社のサポートを受けられる
派遣会社からのサポートを受けながら就業できる点は、大きなメリットのひとつです。派遣会社は、求人情報の提供や応募手続きのサポート、面接対策、労働条件の交渉など、多岐にわたる支援を行います。
これにより、求職者は安心して就業活動を進めることができます。 これらのメリットから、紹介予定派遣は求職者にとって有益な選択肢となり得ます。しかし、必ずしも直接雇用に結びつくわけではないため、派遣期間中の業務遂行や自己アピールが重要です。
紹介予定派遣の注意点

メリットが多いように思える紹介予定派遣ですが、デメリットや注意点もゼロではありません。ここでは紹介予定派遣の求人を探す前に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
通常の派遣よりも枠が狭い
紹介予定派遣は、通常の派遣に比べて求人数が限られています。企業側は将来的な直接雇用を前提としているため、慎重に人選を行います。その結果、求人数が少なく、競争率が高くなる傾向にあり、希望する職種や条件に合った求人を見つけるのが難しくなりがちです。
必ずしも正社員になれるわけではない
紹介予定派遣は、正社員登用を保証するものではありません。派遣期間中の評価や企業の状況により、直接雇用に至らないケースも存在します。
実際、厚生労働省が行った調査によると、紹介予定派遣から直接雇用に結びついた割合は約56.4%に留まっています。つまり、約半数は正社員として採用されていないのが現状です。
出典:厚生労働省「令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」
直接雇用後に条件が変わる可能性がある
派遣期間中は派遣会社との契約であり、直接雇用後は派遣先企業との契約となるため、給与や福利厚生などの労働条件が異なる場合があります。直接雇用の契約を交わす前には、事前に必ず労働条件を確認しておくようにしましょう。
紹介予定派遣として成功するポイント

紹介予定派遣で働くのであれば、誰しもが派遣先の企業から認められて正社員として採用されたいものです。その目標を実現するために、注意しておきたい3つのポイントを紹介します。
派遣期間中の評価を意識する
派遣期間中の業務遂行や職場での態度は、直接雇用の可否に大きく影響します。企業は派遣社員の能力や適性、人間関係の構築力などを総合的に評価するため、常に高い意識を持って業務に取り組まなければなりません。
スキルアップや自己PRの重要性
派遣期間中には、自身のスキルを向上させる努力が欠かせません。また、自分の強みや成果を適切にアピールすることで、企業からの評価を高めることができます。
自己PRの方法やタイミングを工夫し、積極的に自己表現を行うようにしましょう。
派遣会社との密なコミュニケーション
派遣会社は、派遣社員と企業の間を取り持つ重要な役割を担っています。定期的に派遣会社の担当者とコミュニケーションを取り、業務状況や悩みを共有することで、適切なサポートを受けることができます。
また、派遣会社からのフィードバックを活用し、自己改善に努めることも大切です。少しでも疑問や不安があれば、迷わずに派遣会社へ相談しましょう。
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まとめ
紹介予定派遣は正社員や契約社員になれるチャンスがある雇用形態であり、キャリアアップを狙う方にはおすすめです。しかし、求人数は一般の派遣よりも限られていて、業界未経験者であれば、難しいと感じるかもしれません。
紹介予定派遣に挑戦してみたいとは思うものの、経験がなく不安という方は、ぜひCADビギの受講や資格の勉強をスタートして、CADに必要なスキルを習得してみてはいかがでしょうか。紹介予定派遣の求人を見つけて応募する際にも、資格があるだけで優位に進められる可能性があります。

