【BIMソフト比較】おすすめ5選|価格・機能・無料版の有無を解説!

【BIMソフト比較】おすすめ5選|価格・機能・無料版の有無を解説!

BIM(Building Information Modeling)は、3Dモデルを活用して建築・設計・施工のプロセスを効率化する手法で、近年、多くの企業が導入を進めています。

BIMソフトを活用することで、設計の可視化や干渉チェック、コスト管理が容易になり、業務の生産性が向上します。ただし、製品ごとに機能や特徴が異なるため、選定に迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、主要なBIMソフトの比較や選び方、学習方法、活用事例を詳しく解説します。初心者から実務者まで役立つ情報をまとめているので、BIMソフト導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

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BIMソフトの選び方|導入前に押さえておくべきポイント

BIMソフトの選び方|導入前に押さえておくべきポイント

BIMソフトの導入にはコストや学習時間がかかるため、慎重な選定が必要です。以下のポイントを押さえて選びましょう。

用途・業種に適したソフトを選ぶ

BIMソフトは、それぞれ対応する業種や用途が異なります。導入前に、自社やプロジェクトで必要な機能を整理し、最適なソフトを選ぶことがポイントです。

例えば、次の手順で必要な機能を明確にできます。

  1. 現在の業務プロセスを整理する(どの工程でBIMを活用するかを把握)
  2. プロジェクトの特性を把握する(建築、土木、設備などの分野を考慮)
  3. 必要なBIM機能をリストアップする(3Dモデリング、干渉チェック、数量拾い出しなど)

また、BIMの導入事例を参考にし、同業他社がどのように活用しているかを調べることも有効です。

データ互換性・クラウド対応

BIMは複数のソフトでデータ共有が必要になるため、他のソフトとの互換性やクラウド対応を考慮することが大切です。異なるBIMソフト間でスムーズにデータをやり取りできるか、チーム全体でリアルタイムに編集・管理できるかを確認しましょう。

BIMソフトはメーカーごとにデータ形式が異なり、直接の互換性がない場合、変換作業が発生します。そのため、データ変換が可能なIFC(Industry Foundation Classes)対応のBIMソフトを選ぶことで、異なるソフト間でのスムーズなデータ共有が可能です。

また、クラウド対応のBIMソフトを利用すれば、リアルタイムでのデータ共有やチーム間の同時編集が可能になり、プロジェクトメンバーが離れた場所にいても常に最新のデータを共有・更新できます。

価格・コストパフォーマンス

BIMソフトには「買い切り型」と「サブスクリプション型」の2種類があります。初期費用を抑えたい場合はサブスクリプション型、長期運用を見据えるなら買い切り型がおすすめです。

また、導入後にはトレーニング、プラグイン、サポートなどの運用コストもかかるため、価格だけでなく全体のコストを考慮して選定しましょう。

操作性・学習のしやすさ・サポート体制

BIMソフトは製品ごとに操作性や習得のしやすさが異なり、直感的に操作できるものもあれば、高度な機能ゆえに慣れるまで時間がかかるものもあります。そのため、導入前にユーザーインターフェースの使いやすさや、学習サポートの有無を確認しておくことが重要です。

また、自己学習を進める際は公式チュートリアルやオンラインの入門ガイドなど、初学者向けの教材が用意されているかもチェックしておきましょう。サポート体制が整ったソフトであれば、初心者でも安心して導入・活用を進められます。

主要なBIMソフト5選【比較】

主要なBIMソフト5選【比較】

ここからは、代表的なBIMソフト5選を比較します。用途や機能、価格帯が異なるため、自社やプロジェクトに適したソフト選びの参考にしてください。

ソフト名価格体系特徴対応ファイル無料版の有無(試用期間)
Revitサブスクチーム設計に対応。業界標準で大規模プロジェクト向きRVT、IFC、DWG など30日間
Archicad買い切り or サブスク建築設計に特化。直感的な操作とデザイン性PLN、IFC、DWG など30日間
GLOOBE買い切り or サブスク日本の建築基準に対応。公共案件に強い要問い合わせ30日間
Rebro買い切り or サブスク設備設計に特化。施工管理にも対応IFC、DWG などなし
Vectorworks買い切り or サブスク建築・内装向け。2D・3D統合設計IFC、DWG などあり(期間は要確認)

Revit|業界標準のBIM

Revitとは?
出典:https://www.autodesk.com/jp/products/revit/overview

Autodesk Revitは、3Dモデリングや図面作成、パラメトリックコンポーネントなどの機能を備えた業界標準ツールです。チーム設計や大規模プロジェクトに強みがあります。

特徴業界標準 / 高機能 / チーム連携に強い
価格¥453,200/年
※他に月間・3年プランなどあり(詳細:公式サイト
用途建築設計・土木・施工向け
対応OSWindows
対応ファイルRVT、DWG、IFC、SKP など
体験版あり(30日)
習得のしやすさ初心者でも学べるが、習得には時間がかかる
サポート体制公式サポート / 学習教材あり

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Archicad|デザイン重視の3D設計向け

ArchiCAD
出典:https://graphisoft.com/jp/solutions/products/archicad

Archicadは、建築・意匠設計に特化したBIMソフトです。デザイン重視の3D設計に適しており、直感的な操作性と高品質なビジュアライゼーションが特徴です。チームでの同時作業やMac対応など、柔軟な運用環境を提供します。

特徴直感的操作 / チーム設計に対応 / 高品質レンダリング
価格永久ライセンス:¥1,181,000(Solo版:¥709,000)
サブスク:¥395,100(Solo版:¥282,000)/年
※税込価格・月間・3年プランなど詳細は公式サイト参照
用途建築設計、意匠設計など
対応OSWindows / Mac 両対応
対応ファイルIFC、DWG、DXF、PDF、3DS、SKP など
体験版あり(30日)
習得のしやすさ初心者向け(UIが分かりやすく、チュートリアルが充実)
サポート体制公式サポート / トレーニングプログラムあり

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GLOOBE|日本の建築基準に特化

出典:https://archi.fukuicompu.co.jp/products/gloobe/

GLOOBEは、福井コンピュータアーキテクトが提供する国産BIMソフトです。日本の建築基準法に対応しており、企画・基本・実施設計から確認申請まで一貫して活用できます。

Jw_cadと親和性があり、国内の設計実務にフィットした運用が可能です。

特徴日本の建築基準法に対応 / 国産BIM / Jw_cadと高い親和性
価格買い切り:¥780,000(税抜)
サブスク:¥180,000/年(税抜)
※オプションは別途料金
※詳細は公式サイト参照
用途企画・基本・実施設計、維持管理など一連の建築プロセス
対応OSWindows
対応ファイル要問い合わせ
体験版あり(30日・一部機能制限あり)
習得のしやすさ初心者向け(Jw_cad経験者に扱いやすい)
サポート体制保守契約でアップデート / 電話サポートあり

Rebro|設備設計向けBIM

Rebro
出典:https://www.nyk-systems.co.jp/product/rebro

Rebroは、建築設備(空調・衛生・電気)の設計に特化した国産BIMソフトです。日本の設計・施工環境に最適化された機能を備え、直感的な操作と多くの部材データが揃ったライブラリで、業務効率を高めます。

IFCなど他ソフトとの連携にも対応しており、設計から施工、維持管理まで一貫した活用が可能です。

特徴設備設計に特化 / ハンドル操作で直感的に編集 / 部材データが豊富
価格買い切り:要問い合わせ
レンタル:¥16,500/月(税込)
用途空調・衛生・電気などの設備設計全般
対応OSWindows
対応ファイルDWG、DXF、IFC、JWWなど
体験版なし
習得のしやすさハンドル操作で比較的習得しやすい
サポート体制電話・メールサポート / 操作セミナー・教材あり

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Vectorworks|2D設計とBIMの両方に対応

Vectorworks
出典:https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2024/

Vectorworks Architectは、建築設計・内装設計向けBIMソフトで、2D作図と3Dモデリングの両方に対応しています。デザイン重視の設計者に適しており、中小規模の設計事務所にも選ばれています。

特徴2D・3D統合設計 / 建築・内装向け / 建築向けデータライブラリが豊富
価格買い切り:¥523,600
サブスク:¥198,000/年
※月間・ネットワーク版など詳細は公式サイト参照
用途建築設計・内装設計・ビジュアライゼーション
対応OSWindows / Mac 両対応
対応ファイルDWG、DXF、IFC、Revit、PDF など
体験版あり(使用期限は要問い合わせ)
学習のしやすさ直感的で扱いやすいが、BIM機能の習得にはやや時間がかかる可能性あり
サポート体制30日間無償サポート / 学習教材などあり

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BIMソフトの学習方法|初心者から実務レベルへ

BIMソフトの学習方法|初心者から実務レベルへ

BIMは多機能な分、最初の学習に時間がかかりがちです。効率よくスキルを身に付けるために、無理なく続けられる学習方法を押さえておきましょう。

初心者向けの学習ステップ

BIMソフトを初めて学ぶ際は、以下の学習ステップを踏むと習得しやすくなります。

  1. BIMソフトの基本操作を学ぶ:公式チュートリアルや入門ガイドを活用し、基本的な操作や主要機能を習得する
  2. 基本的なBIMモデリングを試す:小規模な建築モデルを作成し、壁・床・屋根などの要素を配置して操作感を体験する。実際に手を動かすことで理解が深まり、スキルの定着にも繋がる
  3. 作成したBIMモデルを確認する:干渉チェックを行い、設計ミスやモデルの整合性を確認する。異なる視点からモデルを見直す、IFC形式でエクスポートして他のソフトで開き、データ互換性を検証するなど

​さらに、BIMソフトを効果的に活用するには、製図や建築に関する基礎知識も必要です。​これらの知識があると、図面の読み取りや設計意図の理解が深まり、モデル作成時の精度や効率がアップします。

BIMを効率的に習得する方法

BIMの学習には、独学と講座受講の2つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

  • 独学:無料で学べてマイペースに進められる反面、体系的な学習が難しく、自己管理が求められる
  • 講座受講:短期間で効率よく学べるが、費用がかかる

BIMを効率よく習得するには、この2つを組み合わせた学習が効果的です。最初は無料チュートリアルなどで基礎を学び、実務や練習を通してスキルを深めましょう。

そのうえで、理解が不十分な部分や応用スキルを補いたい場合に、講座を活用する方法もあります。

BIMソフトの活用事例

BIMソフトの活用事例

BIMは業務の効率化やコスト削減に役立つツールとして、多くの現場で活用が進んでいます。ここでは、実際にBIMを導入した企業の取り組みをご紹介します。

BIMデータ活用で業務効率と利益率を向上

株式会社船場では、BIMを経営戦略に組み込む取り組みを進めています。顧客ごとのテンプレートを整備し、平面プラン確定から1日でBIMデータを作成できる体制を構築。ビジュアライゼーションにより、設計段階での合意形成がスムーズになり、設計手戻りも大幅に削減されました。

特に以下のような効果が得られています。

  • BIMデータの標準化により作業時間を短縮
  • 設計提案の質が上がり、顧客との認識のずれが減少
  • 月あたりの残業時間が約6時間減少

出典:Autodesk「BIMと事業戦略の密接な連携 - 株式会社 船場 | ユーザ事例」

設計から施工まで一貫したBIM活用で業務を効率化

髙松建設では、設計から施工までBIMを活用。特に施工段階では、3Dモデルを用いた検討や情報共有によって現場の効率化を実現しています。

主な効果は以下の通りです。

  • 複雑な形状を3Dモデルで可視化し、施工検討の精度を向上
  • 鉄骨建方を複数パターンで比較検討できるように
  • 現場の状況を可視化し、社員・職人間の連携を強化
  • 詳細な施工検討により、出戻りや工程遅延のリスクを低減

出典:Graphisoft「髙松建設株式会社 × グラフィソフトジャパン座談会」

BIM-FM連携で施工・管理を最適化

鹿島建設は「横濱ゲートタワー」プロジェクトにおいて、施工から維持管理までを見据えたBIM活用に取り組みました。

主な効果は以下の通りです。

  • BIMモデルをFMシステムと連携し、FM業務の一元管理を可能に
  • 竣工図や取扱説明書など付帯書類を削減し、省力化
  • ホロレンズで施工進捗、設備情報を直感的に確認できるように

出典:株式会社NYKシステムズ「横濱ゲートタワープロジェクト」

BIMのキャリア・転職・就職

BIMのキャリア・転職・就職

建築や設計の現場でBIMスキルのニーズが高まる中、習得しておくことでキャリアの選択肢が広がります。ここでは、業界で求められるスキルや資格などをご紹介します。

設計事務所・施工会社が求めるBIMスキルと習熟度

BIMは設計から施工まで幅広く活用されており、業務内容によって求められるスキルも異なります。  

設計事務所では、モデリングやパラメトリックデザインによる意匠・構造設計の効率化が重視され、施工会社では、干渉チェックや4Dシミュレーションを通じた現場管理・工程最適化のスキルが重要です。

以下に、設計事務所と施工会社で求められる主なスキルや業務の違いを表で整理しました。

項目設計事務所施工会社
主な目的設計品質の向上と施工連携施工の効率化とトラブル回避
必要なスキル・モデリング技術
・パラメトリック設計
・データ管理スキル
・IFCなどを用いた外部連携の知識など
・干渉チェック
・4Dシミュレーション
・施工図作成
・データ連携・活用スキルなど

自身のキャリアに応じて必要なスキルを習得し、業務の効率化や品質アップに役立てましょう。

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BIMスキルを証明する資格と認定試験

BIMスキルを客観的に証明するためには資格取得が有効です。以下は、転職やキャリアアップを目指す際に役立つBIM関連の資格例です。

資格取得は、特に実務経験が浅い方にとっては、スキルの補完やアピール材料として有用です。

BIMポートフォリオの作り方とテンプレート紹介

BIM業界での転職やキャリアアップを目指すなら、スキルを「見える形」で伝えるポートフォリオの作成が重要です。モデリング事例だけでなく、干渉チェックやデータ連携の実績も加えることで、実務力を効果的にアピールできます。

ポートフォリオに入れたい要素:

  • BIMモデル作成の事例(建築・設備・土木など)
  • 干渉チェックの記録や改善プロセス
  • データ連携(IFCや施工管理ツールとの活用例)
  • プロジェクトの流れや自分の役割

構成に迷ったら、以下のテンプレートやツールの活用もおすすめです。

  • Autodesk公式テンプレート:Revitユーザー向けの資料が豊富
  • Behance:海外のBIMポートフォリオ事例が多数。構成や見せ方の参考になる
  • Canva:直感的に使えるデザインツール

まずは自身の実績を整理し、視覚的に伝えられるポートフォリオを用意しておくと、選考時のアピール材料として大きな強みになります。

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まとめ|BIMソフトを活用し、業務の効率化を実現しよう

本記事では、BIMソフトの選び方や主要ソフトの比較、学習方法、活用事例までを幅広く解説しました。ここまでお読みいただいたことで、自社や自身に合ったBIMソフトのイメージが具体的になったのではないでしょうか。

BIMの導入は業務の効率化や設計精度の向上につながる大きな一歩です。まずは無料体験版やチュートリアルを試しながら、自分に合った製品を見極めてみてください。

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