CADWe'll Tfasの基本操作と活用方法|設備設計に役立つ機能を解説

2024年12月27日

CADWe'll Tfas

「CADWe'll Tfas」は、建設設備業界で注目されるCADソフトの一つです。しかし、
「名前は聞いたことがあるけれど、具体的にどのような場面で活用されているのか分からない」
「他のCADソフトと何が違うのか知りたい」
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

本記事では、CADWe'll Tfasの基本操作や活用方法、導入メリットについて詳しく解説。これから学ぶ方に役立つ実用的な情報をお届けします。
読むことでCADWe'll Tfasの全体像が分かり、どのように活かせばよいのかが分かるようになります。ぜひ最後までご覧下さい!

CADWe'll Tfasとは?

CADWe'll Tfasとは?
出典:https://www.daitec.jp/catalog/tfas14/tfas_01.html

最初に、CADWe'll Tfasの特徴や他のソフトとの違い、活用シーンについて説明します。

基本情報と特徴

CADWe'll Tfasは、株式会社ダイテックが開発した建築設備設計向けの3D CADソフトウェアです。高精度な図面作成と効率的な設計が可能で、大手設備工事会社でも採用されている、業界内で定評のあるツールです。
2024年12月時点の最新版「CADWe'll Tfas 14」では、作図や連携機能がさらに強化されており、設計者の業務効率化を支援するためのアップデートが継続的に行われています。

他のCADソフトとの違い

建築設備設計では、RebroやAutoCADなども利用されています。以下の表で、CADWe'll Tfasとこれらのソフトの特徴を比較しました。

ソフト名特徴強み適した用途
CADWe'll Tfas設備設計に特化。配管のルーティング機能などを搭載設備設計の効率化空調・電気・衛生設備設計
Rebro建築設備設計に特化しており、BIMモデルとの連携が得意BIM対応建築設備設計、BIM連携
AutoCAD汎用性が高く、幅広い設計業務に対応カスタマイズ性、幅広い用途に対応土木、建築、設備全般

CADWe'll Tfasは、配管ルーティングや干渉チェック機能を搭載しており、設備設計に特化したツールです。特に、設計ミスを防ぎながら作業を効率化する点で評価を得ています

一方、Rebroも建築設備設計に特化したソフトですが、BIM対応を重視しており、3Dモデルを基にした設計・調整で強みを発揮します。また、AutoCADは汎用性の高さが魅力で幅広い設計業務に対応しているものの、設備設計に特化するためにはツールセットなどの追加が必要です。

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設備設計での活用シーン

CADWe'll Tfasは、設計段階から施工段階まで一貫して使用できる点が特徴です。具体的な活用シーンは以下のとおりです。

  • 電気設備…配線作図、照明器具の配置など
  • 空調・衛生設備…配管作図、制気口の配置設計など

CADWe'll Tfasの基本機能

CADWe'll Tfasの基本機能

ここからは、CADWe'll Tfasの基本機能について解説していきます。

初心者が知っておくべき基本操作

Tfasの特徴は、ユーザーフレンドリーなインターフェースです。ツールバーに入力エリアがあり、キーワードもしくは音声入力でコマンド候補を表示できます。

(CADWe'll Tfasの基本操作例)

  • 文字入力と編集:図面内の文字を全角・半角の変換や置換、一括変更などで修正できる
  • シート機能:建築図と設備図をシートごとに分け、建築図の変更時に発生する差し替え作業の手間を省く。複数の表示状態をパターンとして登録し、必要に応じて切り替え可能
  • 外部リンク機能:図面を外部リンクにし、変更内容を一括で反映する

操作の基本を習得するだけで図面作成がスムーズに進むようになります。

空調・衛生設備の設計に役立つ機能

CADWe'll Tfasの空調・衛生設備機能は、機器や器具の配置から配管ルートの作成までをサポートする機能です。具体的には次のような機能があります。

・機器・器具配置:配置済みの部品・部材と同一のものを指示して再配置する。指定した風量や風速に基づいて、最適なサイズの制気口を配置するなど

・ルーティング機能:接続パターンなどの変更時には、もっとも適した部材が自動で表示される。機器や器具への配管・ダクト接続は、接続口に自動的に連結されるなど

電気設備の設計に役立つ機能

CADWe'll Tfasは、電気設備の設計にも以下のような役立つ機能を搭載しています。

・器具の配置・編集:個別、領域、円弧など多彩な配置方法に対応し、指定したサイズで配置できる。3D形状の選択やプレビュー確認も可能

・配線作図:接続情報をもとに自動で適切に接続。また、配線をシミュレーションしつつ作図できる

CADWe'll Tfasを使うメリット

CADWe'll Tfasを使うメリット

CADWe'll Tfasを使うことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。この章では、三つのメリットをご紹介します。

業務を効率化できる

一つ目のメリットは、設計業務の効率化です。
設備設計において、配線ルートの決定は特に時間を要する工程の一つです。従来この作業は手動で行われ、多くの時間と労力がかかっていました。
Tfasはこの配線ルートをシミュレーションしながら作図できる機能を搭載しており、作業を簡略化します。さらに空調設備のダクト・配管サイズを自動算出し、静圧計算の試算結果を出力する機能も備えており、設計者の負担を軽減することが可能です。

共有がスムーズ

次のメリットは、データ共有をスムーズに行える点です。設備設計では、チーム間で異なるソフトを使用している場合、データの互換性の低さが原因で変換や修正に時間がかかることがあります。
CADWe'll Tfasは、DWGやDXFなど多様なフォーマットに対応しており、AutoCADやJw_cadといった他ソフトとのデータ共有も容易です。複数のツールを併用するプロジェクトで役立つでしょう。

転職・昇進に有利

CADWe'll Tfasは、建築設備業界で広く使用されるツールの一つです。そのため、操作スキルを習得することは転職や昇進において、大きなアドバンテージとなります。

実際、CAD専門の求人サイトではCADWe'll Tfasのスキルを求める求人が1,000件以上掲載されており、設備設計の現場で高い需要があることがわかります。また、国土交通省のデータによると、建設業の就業者数は485万人(※令和3年平均)。就業者数のピークである平成9年平均と比較すると約29%減少しています。

慢性的な人手不足が続く建設業界において、Tfasを使いこなせるスキルは貴重で市場価値が高いといえるでしょう。
参考:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

CADWe'll Tfasの動作環境と価格情報

次に、CADWe'll Tfasの動作環境と価格について解説していきます。

必要な動作環境

CADWe'll Tfasを快適に使用するには、以下の動作環境が必要です。

OSWindows 10/11(64bit)※32bit版 TfasはWindows 10(32bit)も可能
CPUCorei5以上
メモリ32bit版 Tfas:4.0GB以上64bit版 Tfas:8.0GB以上
ディスプレイ1,280×1,024ドット以上

※インストールの際は、3.0GB以上のディスク容量を要するので注意してください。

料金プラン

CADWe'll Tfasの公式サイトでは、明確な価格が公開されていません。ですが、多様なライセンス形態が用意されており、利用者の業務ニーズに応じて柔軟に選べるようになっています。

(CADWe'll Tfasの料金体系例)

プラン契約期間内容
時間課金2ヵ月~・使用した分はクレジットカード決済になる・申し込んだその日から利用可能
月額レンタル1ヵ月~1ヵ月ごとに更新できる
5年契約レンタル5年5年経過後は延長使用料が月単位でかかる

例えば、短期間だけ利用したい場合には「時間課金レンタル」が便利です。設計の繁忙期にだけ活用するなど、必要なタイミングで費用を抑えつつ利用できます。

継続的な利用が見込まれる場合には「月額レンタル」や「5年契約レンタル」が適しています。その他にもプランがありますので、詳しくは公式サイトをご確認下さい。

ダイテック「CADWe'll Tfas 14 製品情報」

CADWe'll Tfasの学習方法とサポート体制

CADWe'll Tfasの学習方法とサポート体制

続いて、CADWe'll Tfasの学習方法とサポート体制も確認しておきましょう。

学習方法

CADWe'll Tfasを効率よく習得するために、公式ではさまざまな学習リソースを用意しています。

(公式の学習リソース)

  • 参考マニュアル
  • e-ラーニング(※Tfas 12の体験セミナー動画)
  • CADスクール…基本コースや空調衛生コースなどを組み合わせて受講可能

これらを活用することで初心者でも効率的にスキルを習得し、実務に即した操作を身に付けられます。

サポート情報

CADWe'll Tfasは、FAQ、メール、電話の三つのサポートを用意しています。ただし、利用する際はライセンス番号が必要です。ライセンス番号はライセンス証書に記載されている他、特定のTfas製品がインストールされているPCでも確認できます。

CADWe'll Tfasの活用事例

CADWe'll Tfasの活用事例

この章では、CADWe'll Tfasの活用事例をご紹介します。具体的な使い方や業務効率化の参考にしてください。

電気設備工事の設計に活用する

住友電設株式会社では、電気設備工事の設計にCADWe'll Tfasを使用し、基本計画図を作成しています。さらにTfasで作成した電気設備や機械設備、プラント設備のデータを後継ソフトのCADWe'll Linxで3Dモデル化し、設備のメンテナンス空間を視覚的に確認できるようにしました。

この結果、空間意識が高まり、設計の調整がより効率的に進められるようになっています。

参考:Archi Future 2024「事例レポート『ダイテック』」

施工管理アプリと連携して活用する

CADWe'll Tfasは現場管理アプリ「SPIDERPLUS」との連携により、風力測定や管理に活用できます。

Tfasで作成した図面の制気口・排煙口の位置を出力し、SPIDERPLUSに読み込ませると、図面に測定するポイントが表示されます。現場では指示されたポイントで測定を行うだけで済み、作業ミスの防止が可能です。

また、コンセント情報や照明情報を出力すると、コンセント試験や照度測定にも利用でき、現場管理の品質がアップします。

発注業務に活用する

CADWe'll Tfasは発注業務の効率化にも役立つツールです。

ネグロス電工のケーブルラックとの連携によって、Tfasで設計したケーブルラックに自動で型番を割り当てられます。そこから、図面の数量拾い機能を利用することで数量をCSVデータ化し、ダイテックが提供する発注書フォームで読み込めば材料発注書が完成。発注業務の効率を向上させることが可能です。

MRに活用する

CADWe'll Tfasは、MR(Mixed Reality)技術を活用した設計・施工支援にも対応しています。

インフォマックス社のGyroEye Holoを使用することで、Tfasで設計した3Dモデルを建物に重ね合わせられます。この技術は、建物や設備の寸法などを現場に反映する墨出し作業や、施行後のメンテナンスに活用可能です。

CADWe'll Tfasのよくある質問(FAQ)

CADWe'll Tfasのよくある質問(FAQ)

最後に、CADWe'll Tfasのよくある質問についてお答えします。

Tfasを導入する前に確認すべきことは?

CADWe'll Tfasの導入前には、動作環境の確認だけでなく、設備設計に特化した機能が本当に必要かどうかを判断することが重要です。Tfasは空調・電気・衛生設備の設計に特化した多機能な3D CADソフトで、大規模プロジェクトでの効率的なデータ共有に優れています。

一方、小規模なプロジェクトや設備以外の用途には、汎用CADのほうがコストや柔軟性の面で適している場合もあります。自社の業務内容やプロジェクト規模を把握し、Tfasが必要な場面を見極めましょう。

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操作を覚えるためにどのくらいの期間が必要ですか?

CADWe'll Tfasの習得期間は、学習方法や個人の経験によって異なります。

短期間で効率的に学びたい場合には、CADスクールの受講がおすすめです。実際の業務を想定した課題に取り組むことで、実務に直結するスキルを身に付けられます。

独学や業務を通じて学ぶ場合は、自分のペースで進められるメリットがある反面、習得に数ヵ月かかる場合もあります。

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CADWe'll Tfasのまとめ

本記事では、CADWe'll Tfasの基本情報や活用事例について解説しました。Tfasを利用することで設計時間の短縮や、チーム全体のスムーズな連携が実現します。

また、業界標準として信頼性の高いTfasは、スキル習得が転職やキャリアアップにつながるメリットも備えています。建築設備業界で競争力を高めたい方や、業務効率化を目指す方はぜひ導入を検討してみてください。

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