どの分野が自分に向いてる?CAD設計の分野別特徴と求人の見極め方

どの分野が自分に向いてる?CAD設計の分野別特徴と求人の見極め方

CADオペレーターの求人票には、「意匠」「構造」「設備」「土木」など、専門的な分野が記載されていることが多くあります。

ただ、初めて見ると違いがわかりにくく、「自分にはどの分野が合っているのだろう」と迷う人も少なくありません。

この記事では、CAD設計の主要分野ごとの仕事内容や必要スキルをわかりやすく整理し、どの分野が自分に向いているかを判断するためのポイントを紹介します。

さらに、求人票でのチェック項目、未経験から挑戦しやすい分野、スキルアップの方法までを詳しく解説します。

CAD設計における主要な分野とは

CAD設計と一口に言っても、担当する分野によって求められる知識や作業内容は大きく異なります。ここでは、求人票に「分野」が記載される理由と、それがキャリア選択にどう関わるのかを整理します。

CAD求人票に「分野」が書かれる理由

企業が求人票に「意匠」「構造」「設備」といった分野を明記するのは、採用ミスマッチを防ぐためです。

同じCAD業務でも、建築分野では建物の図面作成、土木分野ではインフラ設計、設備分野では空調や電気配線など、扱う対象がまったく異なります。

応募者にとっても、分野は自分のスキルや志向と合うかどうかを判断する重要な情報です。分野名を見て「イメージだけで判断する」のではなく、業務内容を具体的に確認しておくことが大切です。

仕事内容を誤解するとミスマッチが起きやすい

分野の名前だけを見て応募してしまうと、入社後に「想像と違った」と感じるケースもあります。

たとえば「意匠=デザイン」と思い込んで応募したものの、実際は既存図面の修正やチェック作業が中心だったという例も珍しくありません。

仕事内容を正しく理解せずに応募すると、早期離職やキャリアの停滞につながる可能性があります。

特に未経験者は、「補助業務」「修正業務」「新規設計」などの文言をしっかり確認しましょう。

分野理解がキャリア選択を左右する

分野ごとの特徴を理解すれば、自分の強みや興味に合わせて応募先を絞ることができます。スキルや経験を積み重ねやすい分野を選べば、将来的なキャリアアップにも有利になるでしょう。

逆に、自分に合わない分野を選ぶとスキルが伸びづらくなるため、正しい知識を持って分野を選ぶことが重要です。

各CAD分野の仕事内容

各CAD分野の仕事内容

CADオペレーターが活躍する分野は多岐にわたります。この章では、CADの代表的な分野と仕事内容について解説します。

意匠設計

意匠設計は、建物の外観・デザインを図面化する分野です。

建築士の意図を反映し、平面・立面・断面、意匠詳細、納まり図を作成・更新します。AutoCADやVectorworks、BIM案件ではRevitを使用します。

内装設計

内装設計は、室内レイアウト、仕上げ表、展開図、什器図、照明計画図などを作成します。店舗・オフィス・住宅の仕様に合わせて詳細図を整え、施工指示図をまとめます。ソフトは、VectorworksやAutoCADを使用します。

建築施工

建築施工は、主にAutoCADを使用し、設計図を基に現場で使用する施工図(躯体・仕上・仮設・納まり)を作成します。

施工管理者とのやり取りも多く、現場の理解力と柔軟な対応力が求められます。求人は経験者向けが多いものの、実務を通じて建築の流れ全体を学べる分野です。

構造設計

構造設計では、伏図・軸組図・配筋図・鉄骨詳細図を作成し、解析結果に基づく部材断面や部材リストを反映します。AutoCADを使用し、解析には専用ソフトを併用します。

専門性が高いため経験が重視される傾向がありますが、基礎を学べば、専門性を高めながら長く活躍できる分野です。

設備設計

設備設計は、建物インフラ(電気・空調・給排水・衛生)の計画を図面化します。配管・配線ルートや機器配置を検討し、機器表、ダクト図、干渉チェック、BIM整合を行います。AutoCADやRevitを使用します。

電気設備

電気設備は、受変電・幹線・分電盤・照明・コンセントなどの配線計画を行い、回路割付や負荷計算結果を反映します。機器表や結線図も作成します。AutoCADまたはRevitを使用します。

空調衛生設備

空調衛生設備は、空調機・ダクト・配管・給排水のルート設計を担当します。系統図や機械室納まり図、機器表を作成し、省エネ条件や設置制約に合わせて調整します。AutoCADやRevitを使用します。

土木

土木は、道路・橋梁・造成・上下水道などの計画図、縦横断図、構造詳細図を作成します。線形や土量、構造物の納まりを更新し、数量算出用の図面を整備します。AutoCADやCivil 3Dを使用します。

レイアウト設計

レイアウト設計では、工場・倉庫・オフィスなどで機器や什器の配置を最適化します。動線・安全区画・搬入経路を考慮し、配置図・設備取合い図を作成・更新します。

AutoCADなど一般的なソフトを使う案件が中心です。

建材設計

建材設計は、サッシ・ドア・床材などの製品図、組立図、取付詳細図を作成します。部品表や納まり図を整備し、製造図面への展開まで対応します。AutoCADや3D CADを併用する場合もあります。

通信

通信は、基地局やネットワーク配線、機器盤などの計画図を作成します。アンテナ配置、ケーブル系統、機器表や結線図を整備し、既存設備の更新図も担当します。AutoCADまたは専用CADを使用します。

住宅設計

住宅設計は、戸建・集合住宅の基本計画から実施図までを担当します。配置・平面・立面・断面、建具表、設備位置の取り合い調整、申請用図面を整備します。AutoCAD、Revit、Vectorworksを使用します。

以上のような分野ごとの仕事内容を理解しておくと、自分に合った働き方のイメージがつかみやすくなるでしょう。次に、「どの分野が自分に向いているか」を見極めるポイントを紹介します。

どのCAD分野が自分に向いているかを判断するポイント

どのCAD分野が自分に向いているかを判断するポイント

自分に合った分野を見つけるには、興味や得意分野を整理して考えることが大切です。ここでは、性格や関心から自分に合うCAD分野を見極めるためのヒントを紹介します。

デザイン志向なら「意匠・内装」

美的感覚を活かしたい人や、建物や空間の美しさを形にしたい人には、意匠や内装といったデザイン系分野が向いています。インテリアや外観の構成、照明・素材の調整など幅広く関われる点も魅力です。

顧客の要望を形にするためのヒアリングや提案力も求められますが、デザインや空間づくりに楽しさを感じられる人に向いています。

数学や計算が得意なら「構造」

構造設計は、建物の安全を支える「縁の下の力持ち」です。精密な計算が耐震性や強度に直結するため、数学や計算が得意な人に向いているといえます。

図面修正ひとつにも高い正確性が必要で、責任感も必要です。「裏で支える」タイプの人や、論理的に考えるのが好きな人にぴったりです。

機械やインフラに関心があれば「設備・土木」

快適で安全な建物や社会インフラを支える設備・土木分野は、社会貢献性の高い仕事です。電気や空調、道路や橋梁などを設計し、生活基盤を整えます。チームや現場との連携も多く、協調性が重要です。

実務を通して大規模プロジェクトに関わってみたい方にもおすすめです。

▼あわせて読みたい

細かい部材に興味があれば「建材・住宅」

建材・住宅分野は、身近な住まいや建材に関わる仕事をしたい人に向いています。ドアやサッシなど小さな部材を正確に設計し、建物全体の品質を支える役割を担います。

小さなパーツまで正確に描く、根気強さと丁寧さが求められます。

ITやネットワークに関心があれば「通信」

通信分野は、IT技術と設計スキルを掛け合わせて活躍できる分野です。携帯基地局やネットワーク設備の設計を行い、社会の通信基盤を支えます。

技術の進化に合わせて知識を更新する意欲が求められ、将来性も高い分野です。IT時代に強い設計職を目指す人に最適です。

CADの求人票でチェックすべきポイント

CADの求人票でチェックすべきポイント

CADの求人票には、仕事内容以外にも見ておきたいポイントがたくさんあります。ここでは、応募前に知っておくと安心なチェック項目をわかりやすく紹介します。

分野名と担当業務の範囲(設計補助か図面修正か)

求人票では、同じ「意匠」や「施工」とあっても業務内容が異なるため注意が必要です。設計補助は設計者のサポートが中心で、図面修正は既存データの変更がメインです。

「新規設計」や「補助業務」といった表現を確認し、実際の担当範囲を見極めることが大切です。

使用ソフトの種類(AutoCAD、Revit、Vectorworksなど)

CADの分野によって使われるソフトが異なるため、使用ソフトは応募前に必ず確認しましょう。

AutoCADは汎用性が高く、RevitはBIM対応で需要が拡大しており、Vectorworksは意匠・内装分野で多く使われます。

自分のスキルや経験と一致しているかを把握することが、採用後のミスマッチを防ぐカギとなります。

▼あわせて読みたい

分野ごとの給与相場・働き方の違い

給与や働き方は分野ごとに大きく異なります。

設備・施工分野は責任範囲が広く高収入になりやすく、内装や住宅分野は未経験でも入りやすい反面、やや控えめな給与水準です。

在宅勤務や出張の有無なども業種で変わるため、求人票の条件を具体的に確認しましょう。

「未経験歓迎」「研修あり」の表記の見極め方

「未経験歓迎」とあっても、すぐに設計業務を任されるわけではない点に注意しましょう。多くは補助作業や研修を通じてスキルを身につけるポジションです。

「研修あり」と明記された求人は安心感がありますが、期間や内容まで確認することで、入社後のギャップを防げます。

未経験でも挑戦しやすいCAD分野は?

未経験でも挑戦しやすいCAD分野は?

「経験がないけれど、CADの仕事に興味がある」という方も多いでしょう。実は、未経験からでも始めやすい分野や、研修制度のある職場もたくさんあります。

ここでは、初めての方でも安心して挑戦できる分野や学び方のポイントを紹介します。

意匠・土木・住宅分野の求人は比較的多い

未経験からでも比較的挑戦しやすいのは、意匠設計や土木、住宅設計といった分野です。

意匠設計では図面修正やパース作成などから始められ、土木では図面トレースや数量チェックなど補助業務が中心。住宅設計では間取り図や平面図の作成補助を通して、実務に必要なスキルを身につけられます。

基礎を学びながら経験を積み、徐々に設計補助や図面管理など、より専門的な業務へステップアップすることも可能です。

研修制度のある派遣会社・スクールを活用

未経験からスムーズに仕事を始めるには、研修制度のある環境を選ぶのが重要です。

独学で不安な人は、スクールや派遣会社の研修を積極的に活用するとよいでしょう。独学では理解が難しい実務部分も体系的に学べるため、実際に業務に向けて自信をつけられます。

▼あわせて読みたい

未経験におすすめ!CAD初心者向けの無料研修「CADビギ」

cadビギ

アットキャドが提供する「CADビギ」は、未経験者でも安心してCADを学べる無料の研修サービスで、AutoCADのソフトの使い方を習得したい方におすすめです。

実務経験豊富な講師が10日間で基礎から丁寧に指導し、建築基礎やCAD作図法を習得できます。卒業生は多くの分野で活躍しており、同期や先輩とのサポート体制も充実しています。

研修中にアットキャドから就業先を紹介してくれる点や、就業先の要望があればそれに合わせて研修ができるため、キャリアアップやキャリアチェンジを目指す方に最適です。受講者からは、効率的な学びと実務での即戦力化が高く評価されています。

これからCADスキルを身につけたい方は、「CADビギ」で新たな一歩を踏み出しましょう。

CADビギの詳細を確認する

未経験からCADオペレーターを目指すなら「アットキャド」

CADのお仕事探すならアットキャド

アットキャドは、業界トップクラスの求人数を持つ、CADオペレーターやBIMオペレーターに特化した人材派遣・人材紹介サービスです。

20年以上の実績を持ち、スーパーゼネコンや大手設計事務所を含む2,600社以上と取引実績があり、業界トップクラスの求人数を誇ります。自社に設計部を設けているため、実際に図面を描くプロフェッショナルが在籍し、迅速なサポートが可能です。

研修制度も充実しており、初心者から経験者まで幅広く対応。登録から就業後まで徹底したフォローを行いますので安心してお仕事を探すことができます。

さらに、業界トップクラスの求人数があることから、転職のサポートも行っています。未経験からCADオペレーターやBIMオペレーターになりたい場合や、CADオペレーター・BIMオペレーターとしてキャリアアップしたい場合など、さまざまなケースに対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。

CADのお仕事を探す

まとめ|自分に合ったCAD分野を選んでキャリアを築こう

CADオペレーターの仕事は、分野によって業務内容や求められるスキルが大きく異なります。まずは自分の興味や得意分野を理解し、仕事内容を具体的に確認しましょう。

未経験の方なら、意匠や土木、住宅など挑戦しやすい分野から始め、研修制度を活用してスキルを磨くのも一つの方法です。

サポート体制の整った派遣会社を活用しながら、自分らしいキャリアをCAD業界で築いていきましょう。

▼コチラの記事もおすすめ

CADオペレーター 派遣

CAD 研修 無料

© Atcad. All rights reserved.