CADオペレーターは女性が多いといわれていますが、男性でも十分に活躍できる職種です。特に、建設や製造業などではCADスキルの需要が高く、専門性を身に付ければ安定したキャリアを築けます。
本記事では、男性CADオペレーターのメリットや活躍しやすい業界、必要なスキル、求人選びのポイントを解説。さらに、男性CADオペレーターの実例を通じて、具体的な働き方ややりがいを紹介しています。
「女性が多い職場で働くことに不安がある」「男性でもCADオペレーターとしてやっていけるのか知りたい」という人は、ぜひ参考にしてください。
目次
男性のCADオペレーターが少ない理由とは

業界によって異なりますが、CADオペレーターは一般的に女性の比率が高い職種です。デスクワーク中心で体力的な負担が少ないことや、派遣・契約社員の求人が多い点が影響していると考えられます。
一方で、男性は設計職や施工管理などの上流職種を目指すケースが多く、CADオペレーターとしてのキャリアを選ぶ人は比較的少ない傾向にあります。また、「女性が多い職種」というイメージから、男性が応募をためらう場合もあるでしょう。
男性が少ないことで感じるメリット・デメリット
男性CADオペレーターのメリットは、転職市場での希少性です。企業によっては貴重な人材とみなされることがあります。
その反面、女性が多い職場では馴染みにくさを感じるかもしれません。しかし、職場の雰囲気やコミュニケーションの工夫次第で、スムーズに働くことは可能です。
男性でもCADオペレーターになれる? 採用されやすい業界と求められるスキル
ここからは、CADオペレーターの仕事内容や必要スキル、男性が多い業界について見ていきます。
CADオペレーターの仕事内容
CADオペレーターの主な役割は、設計士やデザイナーの指示に従い、CADソフトを用いて設計図を作成、仕上げることです。図面の作成・修正にくわえ、データ管理や書類作成を担当する場合もあります。
業務内容に性別による違いはなく、求められるスキルも共通しています。
CADオペレーターに求められるスキル
CADオペレーターに求められるのは、CADソフトの操作スキルだけではありません。設計者やエンジニアと円滑に連携するためのコミュニケーション力も必要です。
業務は主にPC上での作業ですが、設計変更や細かな調整が発生するので、意図を汲み取る力を要します。また、作業を長時間行える集中力や忍耐力も欠かせないスキルです。
男性が多い業界・分野
男性が多い製造・建設業界は、男性CADオペレーターにとって働きやすい可能性があります。 厚生労働省のデータ(令和4年)によると、男性の産業別雇用者数は製造業が最も多く709万人、建設業は319万人で3番目に多いとされています。(出典:厚生労働省「男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活の動向」)

CADが用いられているのは、製造業では機械や部品の設計、建設業では建築図面や施工計画などです。
また、使用されるCADソフトにも業界ごとの特徴があり、製造業では「SolidWorks」や「CATIA」、建設業では「AutoCAD」や「Revit」などが使われています。これらのソフトを習得しておくと、製造・建設分野への転職時に強みとなるでしょう。
男性CADオペレーターの給与・雇用形態

この章では、男性CADオペレーターの給与や雇用形態について詳しく解説します。
平均年収と男女の給与差
厚生労働省のデータでは、CADオペレーターの平均年収は約452万円とされています。(2025年2月時点)男女の給与に大きな差はないとされていますが、雇用形態の違いが収入に影響を与えることが多いでしょう。
一般的に、女性は出産や育児でキャリアを一時中断し、契約社員・派遣・パートなど柔軟な働き方を選ぶケースが見られます。反対に男性は正社員として働く割合が高く、昇給や年収の安定性に恵まれる傾向があります。
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雇用形態:正社員・派遣・フリーランスの違い
CADオペレーターの主な雇用形態と、それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。
雇用形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
正社員 | 安定した雇用、昇給・福利厚生がある | 長期的なキャリアを築ける | 移動、転勤の可能性がある |
派遣 | 期間ごとに契約、残業が少なめ | 様々な業界で経験を積める | 雇用が不安定 |
フリーランス | 自由な働き方、案件ごとに報酬がある | 高収入の可能性がある | 仕事を獲得するのが大変 |
安定性を重視するなら正社員、様々な業界で経験を積みたいなら派遣、自由度の高い働き方を求めるならフリーランスと、自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせた選択が重要です。
未経験から始める場合は、まず派遣で経験を積みながらスキルを磨き、その後に正社員やフリーランスを目指すのも一つの方法です。
男性CADオペレーターに向いている人・向いていない人
次に、CADオペレーターはどのような人が向いているのか、逆にどのような人には向いていないのかを詳しく解説していきます。
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細かい作業が得意で、忍耐力がある人は向いている
CADオペレーターの仕事は、ミリ単位の精度が求められる図面の作成・修正が中心です。精密な図面を仕上げるため、細かい作業が得意な人に向いています。
設計者やクライアントの要望に応じて何度も修正を繰り返すことが多く、粘り強く取り組む力が必要です。また、長時間のデスクワークが基本となるため、集中力を維持しながら作業を続けられるかどうかもポイントになります。
黙々と作業に没頭できる人や、「繰り返しの作業が苦にならない」「細かい部分までこだわれる」人には最適な職種といえます。
チームでのコミュニケーションが苦手な人は向いていない
CADオペレーターは一人で黙々と仕事をする印象があるかもしれません。しかし、実際には設計者やエンジニアとの連携が必要です。 設計の意図を正しく理解し、相手の要望を汲み取る力が求められます。
基本的には指示に従って作業を進めますが、設計変更や調整が発生する際は、適宜確認や相談を要します。コミュニケーションが苦手だと報告・連絡・相談が不足し、業務の遅れやミスにつながる恐れがあるでしょう。
よって、周囲との連携を意識せず、一人で完結しようとする人はCADオペレーターには向いていない可能性があります。
CADオペレーターとして得られるやりがい

CADオペレーターとして、やりがいを感じられるポイントも確認しておきましょう。
作成した設計図が実際の製品や建築物になる
CADオペレーターの仕事の魅力は、作成した図面が製品・建築物として形になることです。特に、建築や土木の分野では何十年にもわたり社会のインフラとして活用されることが多く、大きな達成感を得られます。
また、製造業では自分が作成した図面をもとに部品や機械が組み立てられ、実際に動作する瞬間を目にすることができます。 こうした「ものづくりのプロセスに関われる」ことが、CADオペレーターのやりがいの一つです。
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他業界でも通用するスキルが身に付く
CADスキルは建設や製造業にとどまらず、他業界でも活用されています。近年では3D CADやBIMの普及が進み、プロダクトデザインなどの分野でも導入が進んでいます。
また、CADオペレーターはCADソフトの操作スキルにくわえ、図面を読み解く力や設計の知識も身に付くため、ものづくりに関わる幅広い職種で応用可能です。
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男性CADオペレーターのリアルな声(事例)
この章では、実際に活躍している男性CADオペレーターの事例をご紹介します。
若手CADオペレーター
まずは、解体工事における足場図や計画図の作成を担当する若手CADオペレーターの事例です。
解体作業の進捗が目に見えて分かる点に魅力を感じ、この仕事を選びました。特に、自分が作成した図面を土台として解体が進むときに、やりがいを感じるとのこと。
解体工事では図面は補助的な役割に見えますが、足場の組み立てや各種検証作業で活用されることが多く、精度の高さが求められます。そのため、正確な図面を作成できた際は達成感を覚えるそうです。
出典:マイナビ転職「社員インタビュー#2【群馬事業所 CADオペ】」
ベテランCADオペレーター
続いて、長年活躍するベテランCADオペレーターの事例を紹介します。このオペレーターは、高速道路の現場で工務業務を兼任しつつ勤務しています。
CADで図面を描くこと自体が楽しく、正確性が評価される仕事にやりがいを感じているそうです。今後は、太陽光パネルの保守点検やドローンの活用にも興味を持ちつつ、「とにかく図面を描き続けたい」という思いで、CADオペレーターの道を歩んでいます。
出典:株式会社トーウン「55歳 男性技術者 Nさんにインタビュー!」
CADオペレーターとして働きたい男性のよくある疑問

最後に、男性CADオペレーターを目指す人が抱きやすい疑問に答えていきます。
現場業務はあるのか?
CADオペレーターは基本的にデスクワークが中心ですが、正社員は業務によって現場に行く機会もあります。
反対に、派遣社員は業務範囲が明確に定められているため、デスクワークのみとなるケースがほとんどです。 現場業務が少ない環境を希望する場合は、事前に業務内容・範囲を確認しておきましょう。
求人票をチェックするときのポイントは?
CADオペレーターとして長く働くには、自分に合った求人を見極めることが重要です。求人票を見る際は、以下の項目を確認しましょう。
- 雇用形態(正社員・派遣・フリーランスのどれに該当するか)
- 給与・年収(固定給、年収例、賞与の有無)
- 募集条件(「男性が活躍」「未経験可」などの表記)
- 職場環境(男女比や社風、働きやすさ)
- 昇給・キャリアアップ(資格取得や昇給制度の有無)
事前にしっかり確認することで入社後のミスマッチを防ぎ、安心して働ける環境を選べます。
面接のときにアピールするとよいことは?
面接では、チームワークの適性やキャリアの方向性を明確に伝えることが大切です。
CADオペレーターの職場は女性が多い環境もあり、協調性や円滑なコミュニケーションが求められます。面接官も職場に馴染み、スムーズに業務を進められるかを見ているため、チームの一員として協力しながら働ける姿勢を示すと好印象につながるでしょう。
また、「CADオペレーターとしてスキルを磨き、長期的に貢献したい」と伝えることで、長く働く意欲があることを示せます。設計職を視野に入れている場合でも、「まずはCADオペレーターとして経験を積みたい」と伝えると、採用担当者もキャリアの方向性を具体的にイメージしやすくなります。
2D CADだけでは不十分? 3D CADを学ぶべきか?
2D CADのスキルだけでもCADオペレーターとして働くことは可能ですが、3D CADの習得は転職やキャリアアップに有利です。
近年、建設業や製造業では3Dデータの活用が進み、BIMや3Dモデリングを求める企業が増えています。3D CADを扱えると対応できる業務の範囲が広がり、将来のキャリアにもプラスに働くでしょう。
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まとめ
本記事では、男性がCADオペレーターとして働くメリットや求められるスキル、活躍しやすい業界について解説しました。要点をまとめると以下のとおりです。
- デスクワーク中心の職種で女性が多い傾向があるが、男性でも十分活躍可能
- CADソフトの操作スキルにくわえ、設計者とのコミュニケーション力や集中力が必要
- 建設・製造など男性の雇用割合が高い分野は、働きやすい環境が整っている可能性あり
CADオペレーターとして安定したキャリアを築くには、スキルの向上と適切な職場選びが重要です。派遣や人材紹介サービスを活用すれば、希望に合った職場探しをスムーズに進められます。
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