- 「CADオペレーターの仕事に興味はあるけれど、未経験から始められるのか不安」
- 「どうCADのスキルを身に付ければよいのかわからない」
- 「最初の一歩をどう踏み出せばよいのか知りたい」
このような悩みを持つ方向けに、この記事では未経験者がCADオペレーターになるための基本ステップや必要なスキル、就職に役立つ情報を詳しく解説します。
この記事を読み終える頃にはCADオペレーターのなり方が分かり、キャリアを進める一歩を踏み出せるでしょう。
目次
CADオペレーターとは
CADオペレーターとは、CADソフトを使用して設計図の作成、修正、調整を行う専門職です。建築業界であれば、建築物の設計図や機械部品の図面などを描き起こし、設計士やエンジニアをサポートする役割を担います。
主な勤務先は、建築事務所、設計事務所、内装・インテリア業界、設備業界のほか、製造業や機械や電気関連の企業などです。正確な図面はプロジェクトの成功に欠かせず、CADオペレーターは多岐にわたる業界で必要とされています。
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CADオペレーターに必要な基本スキル
CADオペレーターとして働く際は、いくつかの基本的なスキルが求められます。
- CADソフトの操作スキル
- 設計に関する基本的な知識
- ITスキル など
設計図を読み解く能力や基本的なITスキルは、業務をスムーズに進めるために重要です。とはいえ、最初から完璧である必要はありません。日々の業務を通じて身に付けていくことも可能です。また、細かな作業を続ける集中力も求められますが、これも経験を積むうちに鍛えられます。少しずつスキルを磨き、成長していきましょう。
未経験からCADオペレーターになるための基本ステップ

未経験からCADオペレーターになるには、どんなステップを踏めばよいのでしょうか。この章では四つのステップを解説していきます。
1.基本的なCADの知識を身に付ける
未経験からCADオペレーターになるために、まず基本的なCADの知識を身に付けます。インターネットを活用して情報を収集し、CADソフトの無料版を使って実際に操作してみましょう。
YouTubeでのチュートリアル動画など、無料で公開されているものはたくさんあります。検索してみてください。
2.基本的な操作スキルを習得する
次に、基本的な操作スキルを習得します。基本的な操作スキルとは、例えば以下のようなものです。
- インターフェースの理解
- 図面の作成と保存
- 描画ツールの使用方法
- 編集ツールの使用方法
- レイヤー管理 など
最初は、シンプルな設計図を描く練習から始めましょう。練習を積み重ねることで操作がスムーズになり、自信もついてきます。
3.ポートフォリオを作成する
次に、練習で作成した図面やモデルをポートフォリオにまとめましょう。
ポートフォリオは、未経験者が採用担当者に自身のスキルをアピールするための重要な手段です。図面の精度や工夫した点を説明することで、学習意欲と能力を具体的に示すことができます。
4.実務未経験OKの求人に応募する
ポートフォリオができたら、実務未経験OKのCADオペレーター求人を探します。
未経験者を積極的に採用している企業を見つけるため、求人サイトや転職エージェントを活用しましょう。また、企業の評判を口コミサイトで確認すること、自身の経験やスキルを棚卸しすることも大切です。情報収集をしっかりと行い、最適な企業に応募してください。
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未経験者が受けるべきCADの研修・講座
CADのスキルを磨く方法は主に三つあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った学び方を選びましょう。
独学で学ぶ
独学のメリットは、自分のペースで進められることと、コストを抑えて効率的に学べることです。ただし、独学には自己管理が求められます。
計画的に学習スケジュールを立て、分からないことが出てきたときには、オンラインフォーラムやコミュニティを活用して疑問を解決する努力が必要です。自主性があり、好きな場所や時間に学習を進めたい人に向いています。
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CADスクールで学ぶ
CADスクールは実務に即したカリキュラムが組まれているため、即戦力としてのスキルが身に付きやすい特徴があります。デメリットは、独学に比べて費用がかかり、仕事や家庭のスケジュールと調整しなければならないことです。
具体的には、「ヒューマンアカデミー」や「Winスクール」などのCADスクールがあります。費用の負担を軽減したい場合は、教育訓練給付金制度(※)が受けられる講座や分割払いの利用を検討してみてください。
※教育訓練給付金制度...求職者がスキルアップや再就職のために教育訓練を受ける際に、その費用の一部を国が支援する制度。
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職業訓練を活用する
職業訓練校は基本的に費用がかからず、就職支援が手厚い点が特徴です。ただし、決まったカリキュラムに従う必要があり、入学には選考試験を受けなければなりません。
職業訓練校の活用は、お金をかけずにスキルを習得したい場合や、独学が苦手な方におすすめです。自身の状況や性質に応じて、適切な研修・講座を選択しましょう。
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未経験から始めるためのおすすめCADソフト

CADソフトを入手する際、最初に知っておきたいのが2D CADと3D CADの違いです。
- 2D CAD…平面的な図面を描くツールで、建築図面や機械設計図に利用されている
- 3D CAD…立体的な設計が可能で、複雑な構造の製品デザインに適している
理想は両方のソフトを使いこなすことですが、基礎的な設計スキルを身に付けるには2D CADから始めるのがよいでしょう。以下より、未経験者におすすめの2D、3Dソフトをご紹介します。
AutoCAD(2D)

AutoCADはAutodesk社が提供する、2D設計に必要な全ての機能が備わったCADソフトです。
特徴
- 未経験者でも比較的簡単に操作できる
- シェア率が高く、その分ソフトに関する情報や学習教材が豊富で学びやすい
- 多くの企業で使われているので、習得しておくと就職の幅が広がる
無料体験版も利用できるので、ぜひ一度試してみてください。
Autodesk Revit(3D)

Autodesk Revitも、Autodesk社が提供する建物設計に特化した3D CADソフトです。
特徴
- 建築設計や土木エンジニアリングに適している
- 作業の共有で効率化できる
- 初心者がスキルを磨くためのサポートや教材が充実している
2D CADに比べて習得に時間がかかるかもしれませんが、Revitのスキルを身に付けることで、特に建設業界への就職やキャリアアップのチャンスが増えます。こちらも無料体験版をダウンロード可能です。
未経験者がCADオペレーターとして就職するためのポイント

次に、未経験者がCADオペレーターとして就職するためのポイントを四つ解説していきます。
資格を取得する
資格の取得は必須ではありませんが、自身のスキルを客観的に証明する手段になります。
【CADの資格例】
- CAD利用技術者試験...2次元と3次元の2種類があり、CADソフトの操作スキルや基礎知識を有していることを証明できる
- オートデスク認定資格...Autodesk社のCADソフトの操作・活用スキルがあることを証明できる。初級ユーザー向けの資格もある
資格取得は、自信を持って次のステップに進むためのサポートになります。就職の際に企業からの信頼性も高まるでしょう。
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就職後のフォローがある企業に応募する
次に、就職後のフォローが充実している企業を選ぶこともポイントです。適切なサポートがあれば、新しい環境での戸惑いや不安を軽減でき、早く職場に馴染むことができます。
【フォロー例】
- 研修で業種の基礎知識、CADの使い方を学べる
- OJTで先輩社員の指導により、基本業務を経験できる
- メンター制度でキャリアのアドバイスやサポートを受けられる など
フォロー体制がある企業では、実務に必要なスキルを段階的に習得することが可能です。
安心して働き始めるために、これらのサポートが整っている企業を探してみてください。
履歴書・職務経歴書の書き方を工夫する
履歴書や職務経歴書を作成する際は、自身の特性の中でCADオペレーターに適している点を分析し、アピールしましょう。
企業は、応募者の適性や働き方を理解したいと考えています。具体的なエピソードを交えて自身の特性を記載することで、CADオペレーターとしての適性を示せます。
例えば、「ものづくりが好き」や「コツコツと作業するのが得意」「細かい作業に丁寧に取り組める」といった特性はCADオペレーターに向いており、採用担当者に好印象を与えられます。
実務経験を積む
三つ目のポイントは実務経験を積むことです。
いきなり企業に応募するのはハードルが高いと感じる場合は、派遣やアルバイトも検討しましょう。様々なプロジェクトに参加し、経験を積む機会が得られます。また、フリーランスのプロジェクトやボランティア活動に参加するのも一つの方法です。実務経験を積むことで自信がつき、職場での即戦力として評価される可能性が高まります。
CADオペレーターの派遣会社はアットキャドがおすすめ

アットキャドは、業界トップクラスの求人数を持つ、CADオペレーターやBIMオペレーターに特化した人材派遣・人材紹介サービスです。
20年以上の実績を持ち、スーパーゼネコンや大手設計事務所を含む2,600社以上と取引実績があり、業界トップクラスの求人数を誇ります。自社に設計部を設けているため、実際に図面を描くプロフェッショナルが在籍し、迅速なサポートが可能です。
研修制度も充実しており、初心者から経験者まで幅広く対応。登録から就業後まで徹底したフォローを行いますので安心してお仕事を探すことができます。
さらに、業界トップクラスの求人数があることから、転職のサポートも行っています。未経験からCADオペレーターやBIMオペレーターになりたい場合や、CADオペレーター・BIMオペレーターとしてキャリアアップしたい場合など、さまざまなケースに対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。
実際に未経験からCADオペレーターになった人の成功事例

ここからは、実際に未経験からCADオペレーターになった人の事例をご紹介します。
CAD研修が充実している企業に就職
Aさんは、学生の頃に少しCADに触れた程度、実務は未経験の状態でCADオペレーターとしてものづくり企業で働き始めました。
転職の際に注目したのは、現在勤めている企業のCAD研修が充実している点です。同社では約2ヵ月間、2D・3Dの基本操作や設計の基礎を学びました。
研修のおかげで配属後もスムーズに業務に取り組め、現在は機械部品の図面や3Dモデルの書き起こしなどを担当しています。
参考:日研トータルソーシング株式会社「未経験からCADオペレーターに。 モノづくりの楽しさに夢中になる日々です。」
職業訓練で学んだ経験を活かし、CADオペレーターへ
Bさんは職業訓練校で習得したCADスキルを活かし、建築会社で図面の作成や修正などの業務に携わっています。未経験からのスタートでしたが、先輩社員の丁寧な指導と社内のサポート体制に助けられ、日々成長を実感しています。
建築知識を深め、自分で考えた図面を作成することが今後の目標です。
参考:株式会社ランドエルHD「社員インタビュー 生産管理部 CADオペレーター」
CADオペレーターのキャリアパス

CADオペレーターは需要と将来性が高い職種になります。
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、令和4年度のCADオペレーターの有効求人倍率は1.10となっており、求職者より求人がやや多い状況です。また、CADオペレーターが主に従事する建設業の産業景況データでは、2024年2月の段階で特に正社員などの労働者が不足していると判断されています。
これらのデータから、CADオペレーターとしての就職のチャンスは高いといえるでしょう。さらに、CADオペレーターのキャリアパスは多様で、未経験からでもスキルを磨くことで様々な道が開けます。
【キャリアパス例】
- 建築士…資格の取得が必要だが、実務に強い建築士として活躍ができる
- CAD設計士...CADオペレーターより必要な知識が多く、収入や評価が高くなる
- プログラマー...基本的なIT知識やPCスキルを活かして、ITエンジニア分野に進むことも可能
このように、自分の興味や目標に合わせてステップアップできます。
参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)「CADオペレーター 職業詳細」
未経験者がCADオペレーターとして成長するためのヒント
最後に、未経験者がCADオペレーターとして成長するためのヒントを二つご紹介します。
継続的な学習
CADソフトウェアは毎年進化し、新しいツールやオプションが次々と追加されます。これに対応するために、継続的な学習を心がけましょう。例えば、定期的にセミナーや研修に参加して最新の技術やトレンドを学ぶのも一つの方法です。学習を習慣化することで、CADオペレーターとしてのスキルを高められます。
コミュニケーション力の向上
プロジェクトは多くの場合チームで進行するため、コミュニケーション力も求められます。チームメンバーと円滑なコミュニケーションを取ることで、業務の効率が向上し、ミスを減らせます。
コミュニケーション力をアップさせる方法としては、話し方を工夫したり、傾聴力を伸ばしたりなどがあります。CADオペレーターとして成長するために、コミュニケーション力も鍛えていきましょう。
まとめ:未経験でもCADオペレーターになれる
この記事では、未経験からCADオペレーターになる基本ステップや学ぶ方法、就職のポイントなどについてご紹介しました。
【基本ステップのまとめ】
- 基本的なCADの知識を身に付け、無料ソフトなどで実際に操作してみる
- 基本的な操作スキルを習得し、ポートフォリオを作成して就職・求職活動に備える
- 就職後のフォローがある企業を選び、実務経験を積む
未経験でも適切な学習と準備を行えば、CADオペレーターとして働き始めることは十分可能です。
「段階的にステップアップしたい」「多様な経験を積みたい」という方は、ぜひアットキャドの人材派遣サービスをご利用下さい。登録から就業後まで柔軟にサポートいたします。

