派遣社員として履歴書を作るなら、複数の経歴をスッキリ整理し、自分の強みやスキルをしっかりアピールすることが成功の秘訣です。派遣ならではの多様な経験を武器に、応募する職種にぴったり合った魅力を引き出す工夫が欠かせません。
本記事では、経歴のまとめ方から自己PRのコツまで、実践的なポイントを解説します。ぜひこの情報を活かして、あなたの価値を最大限に伝える書類を完成させ、理想の仕事をつかむ第一歩を踏み出しましょう。
目次
派遣の履歴書と職務経歴書の基本

派遣社員として働く際、重要な役割を果たす履歴書と職務経歴書。これらの書類を適切に作成することで、自分のスキルや経験を的確に伝え、採用の可能性を高めることができます。
このセクションでは、履歴書と職務経歴書の違いや、派遣向けのフォーマットなどについて詳しく解説します。
履歴書と職務経歴書の違い
履歴書と職務経歴書は、就職活動において重要な書類ですが、それぞれの役割は異なります。
履歴書は、氏名や住所、年齢などの基本情報を伝えるもので、募集要件と本人の希望を確認するために使用されます。一方、職務経歴書は、これまで携わった業務で得た知識や経験、スキルを詳細に記載するものです。
履歴書は、フォーマットがある程度決まっており、職歴や学歴を時系列で記載するのが一般的です。職務経歴書は、フォーマットの自由度が高く、応募先の企業に合わせて自身のスキルや実績を強調することができます。
派遣社員の場合、派遣先ごとに異なる業務を経験していることが多いため、職務経歴書をうまく活用することで、自分の強みをアピールしやすくなります。
派遣履歴書の基本フォーマット
派遣会社に提出する場合はPC作成が一般的ですが、企業によっては手書きを求める場合もあります。また、フォーマットの選択では、一般的な履歴書で問題ありませんが、派遣元・派遣先の記載方法に注意が必要です。
例えば「〇〇派遣株式会社(派遣元)より△△株式会社(派遣先)へ事務職(担当業務)として就業」という形であれば雇用形態が明確になります。手書きかPC作成かについて特に指定がない場合は、読みやすく修正もしやすいためPC作成がおすすめです。
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職務経歴書の重要性と活用法
派遣社員にとって、職務経歴書は採用担当者に自分のスキルや柔軟性をアピールするための重要なツールです。自分のこれまでのキャリアを整理でき、応募先企業に対して自分の価値を効果的にアピールすることができます。
特に派遣社員は、複数の企業で異なる業務を経験していることが多いため、職務経歴書の構成が重要になります。記載する際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 業務内容を具体的に記載…「一般事務」や「製造業務」ではなく、「Excelを使用したデータ入力業務」「製造ラインでの品質管理業務」といった詳細を記載する
- 実績や成果をアピール…「売上データ入力業務を担当(1日200件以上)」「生産管理システムの運用をサポート(業務効率を20%向上)」といった具体的な数値を交えると説得力が増す
- 業務ごとの期間を明記…複数の派遣先における業務内容とともに就業期間を記載し、時系列を明確にする
派遣経験の書き方と具体例

派遣社員としての経験を履歴書に適切に、かつ情報を整理してわかりやすく記載することは、採用担当者に自身のスキルや業務適応力を伝える上で重要です。
このセクションでは、派遣経験の具体的な書き方や整理のコツについて解説します。
派遣元・派遣先の正しい記載ルール
派遣社員の履歴書では、派遣元と派遣先の情報を正しく記載することが重要です。以下の点に注意しましょう。
- 派遣元企業名を明記…雇用契約のある派遣会社名を記載し、その後派遣先企業名を記載する
- 業務内容を簡潔に記載…派遣先での業務が応募先の職種と関連がある場合は、具体的なスキルや実績を簡潔にまとめる
- 適切な表現を使用…入社・退職ではなく「就業」「派遣期間満了につき退職」と記載することで、派遣雇用であったことを明確にする
- 成果を盛り込む…可能な限り、派遣先での実績や達成した目標を記載し、実力をアピールする
履歴書不要なのはなぜ?怪しい?
派遣会社の登録時に履歴書が不要なケースが多いのは、登録シートやネット上の登録フォームで十分な情報が得られるためです。
派遣先企業は、労働者派遣法により履歴書を基に選考することが禁止されています。そのため、派遣会社が派遣先企業に対して求職者の履歴書を提出することはありません。
履歴書を提出しなくても、職務経験やスキル、希望条件などの情報は登録時に詳細に入力するため、適切なマッチングが可能です。
写真の服装は?
履歴書に貼る写真の服装は、スーツやオフィスカジュアルが無難です。特に事務職や営業職など、ビジネスシーンを意識する場合はスーツが推奨されます。
一方、軽作業や製造業向けの派遣では、オフィスカジュアルでも問題ありません。ただし、派手すぎる服装やラフな格好は避け、清潔感を重視したスタイルを選ぶことが大切です。
複数の経歴の整理方法
派遣先が複数ある場合、履歴書の記載が煩雑にならないように整理することが重要です。基本的には、最初に派遣元の企業名を記入し、その後に派遣先企業名と担当業務を記載します。
派遣期間は、それぞれの派遣先の業務内容の後ろに括弧で記載し、契約期間の終了日を明確にしましょう。最後に「派遣期間満了につき退職」とまとめることで、履歴書全体が見やすくなります。
正社員・派遣経験の両方を記載する場合
正社員と派遣の経験が混在する場合、履歴書ではまず正社員としての職務を優先的に記載するのが一般的です。これにより、長期的なキャリアや責任ある役割を強調できます。
例えば、同じ企業内で派遣から正社員にステップアップしたケースでは、雇用形態ごとに期間を分けて書き「20XX年X月 正社員登用」と明記、登用の背景(例: 実績が評価された等)を簡潔に添えると成長意欲や信頼性が伝わります。
経歴が少ない場合
職歴が少ないと履歴書に空白が目立つ場合がありますが、派遣での経験を工夫して記載することでカバーできます。短期間の業務でも、具体的な仕事内容や身につけたスキルを詳しく書くことが重要です。
例えば「顧客対応でコミュニケーション力を強化」「データ入力で正確性を発揮」といった具体例を挙げれば、経験が浅くても前向きな姿勢を示すことができます。
派遣先が3社以上ある場合
派遣先が3社以上ある場合、全てを詳細に書くと履歴書が乱雑になる恐れがあります。派遣先ごとに企業名、業務内容、期間を簡潔に列挙し、最後に「派遣期間満了につき退職」と一文で締めくくると、読みやすさが保たれます。
短期・単発派遣の場合
短期や単発の派遣業務、例えば1日だけや1週間程度のアルバイトは、履歴書に必ずしも書く必要はありません。キャリアの流れを説明する上で省略しても問題ないことが多いです。
ただし、就職活動で職歴の空白期間が目立って長くなる場合、その間に短期・単発の仕事を記載することで積極的に働く姿勢を示すことができます。
また、こうした経験が応募先の業務に関連するスキルや柔軟性をアピールできる場合(例えばイベント設営や繁忙期対応など)、具体的な強みとして活かすのも有効です。
要は、状況に応じて記載するかどうかを判断し、自分の強みを引き立てる形で整理することが大切です。
派遣先の企業名が書けない場合の対応策
派遣先によっては、守秘義務の制約で企業名を履歴書に明記できないケースがあります。
その場合、企業名は書かないようにし「某IT系企業に事務職として派遣」や「某製造業企業に生産管理として派遣」のように業種や職種を具体的に示すのが賢明です。
その後に「守秘義務契約により企業名の詳細は記載できません」と一文を加えることで採用担当者に状況を明確に伝えられます。業務内容を補足的に詳しく書けば、経験値をしっかり伝えられるでしょう。
履歴書でのアピールポイントと記入例

派遣会社に提出する履歴書には志望動機は不要ですが、派遣先に提出する履歴書は採用担当者に自分をアピールする第一歩です。特に派遣社員の場合、多様な経験をどう整理し、応募職種に合わせた強みを伝えるかが鍵となります。
具体的な書き方や例文を通じて効果的にアピールするポイントをご紹介します。
応募職種別の自己PR・志望動機の書き方と例文
応募する職種ごとに、ポイントと例文を紹介します。
事務職向け

事務職向けの志望動機としては、例えば、企業の効率化への取り組みに共感し事務スキルで貢献したいなど、応募先の特徴や魅力を踏まえ「なぜその企業で働きたいのか」を明確に伝えることが大切です。
自己PRでは、過去の経験から具体的な強みを提示し、それがどう役立つかを示しましょう。
例えば、複数の派遣先を経験したことで異なるシステムに短期間で適応する柔軟性を身につけたといった経験を取り込むと、具体性と意欲が伝わります。
製造・軽作業向け

製造や軽作業の履歴書では、自分の長所を率直に示しつつ、前向きな姿勢を強調することが重要です。志望動機では、「体力と集中力を活かして丁寧な作業に取り組みたい」とシンプルに伝えるのが効果的です。
経験と意欲をバランス良くアピールし、未経験でも「学ぶ意欲」を添えると好印象です。
IT・技術職向け

IT・技術職では、技術への関心や知識を具体的に示すことが求められます。「貴社の最先端技術に惹かれ、プログラミングスキルを活かして社会課題の解決に貢献したい」といった企業の特徴と自分の目標をリンクさせましょう。
自己PRでは具体的なツール名の経験も取り入れ、応募先でも技術力をさらに磨きたいと結ぶと、経験と成長意欲が際立ちます。
CAD・クリエイティブ職向け

CADやクリエイティブ職では、技術力と創造性をアピールすることが肝心です。
「貴社のデザイン性の高いプロジェクトに魅力を感じ、AutoCADでの経験を活かして新たな価値を創りたい」など具体的な共感を絡めた志望動機にすると効果的でしょう。
自己PRにおいても使用したソフト名や評価を具体的に示し、応募先での目標を絡めて記載すると、実績と意欲が伝わります。
履歴書と職務経歴書の整合性を保つコツ
派遣経験を記載する際は、時系列を揃えましょう。
例えば「派遣先Aへ事務職として就業(2023年4月〜2024年3月)」と履歴書に書いた場合、職務経歴書でも同じ期間と企業名で「Excelを使用したデータ入力(月300件)」と補足しましょう。
時系列を揃えたうえで履歴書は簡潔な概要に留め、職務経歴書で具体性を加える役割分担を意識します。派遣元と派遣先の記載ルールも統一し、事実に基づいた正直な記述を心がけましょう。
派遣経験を強みに変える方法
派遣経験は多様な環境への適応力やスキルの証明になります。まず、柔軟性、正確性など自分の強みを洗い出し、それが活かせる職種を見極めましょう。
例えばアピールポイントの欄に「複数の派遣先でデータ入力や顧客対応を経験し、異なる業務フローでも迅速に対応する力を培った。このスキルを貴社の事務職で発揮し、効率化に貢献したい」のように書けば経験が強みになります。
普段の業務で意識的にスキルを磨き、応募書類へ具体的に反映させ、派遣ならではの魅力をアピールしましょう。
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派遣の履歴書で採用率を上げる3つのポイント

履歴書を適切に作成することで、採用のチャンスを高めることができます。特に派遣社員の場合、職種や企業ごとに求められるスキルや経験を正しく伝えることが重要です。
ここでは、採用率を上げるための3つのポイントを詳しく解説します。
希望職種・業界に合わせて書き方を調整
履歴書を作成する際は、応募する企業や職種が求めるスキルや人物像を把握し、それに合わせた記載を心掛けることが重要です。
企業の採用ページや求人票を確認し、例えば「コミュニケーション能力」が重視されていれば、それに対応する経験を優先するなど、求められているスキルや経験を洗い出しましょう。
事務職であれば「ExcelやWordを使った業務経験」や「データ入力の正確性」、製造業であれば「チームでの協力経験」や「安全管理の知識」など、業界や職種ごとにアピールすべきポイントを強調することが大切です。
派遣経験をスキルとしてアピール
派遣経験は単なる職歴ではなくスキルの証明として活用できます。応募企業が求めるスキルと、自身の経験を結びつけて記載することで、より魅力的な履歴書になります。特に業務成果を数字で示すと、より説得力が生じます。
例えば「1日200件のデータ入力をミスなく処理」「顧客対応を担当し、クレーム対応件数を20%削減」といった具体的な成果を示せば、業務に対する貢献度が伝わりやすくなります。
また、派遣先が複数ある場合でも、複数の派遣先で培った「柔軟な対応力」を強調することで、安定した職務能力をアピールできます。
アピールにつながる内容にスペースを割く
履歴書の限られたスペースの中で、自分の強みやスキルをしっかり伝えることが重要です。そのためには、重要なポイントに適切なスペースを割き、簡潔ながらもインパクトのある文章を作成しましょう。
例えば、業務内容の説明を単なる「データ入力業務」ではなく、「Wordでの資料作成(月10件以上)」とすることで、より具体的で印象に残りやすい記載になります。
長すぎる文章は避け、適度に改行したり箇条書きで整理したりなど、読みやすい履歴書を作成しましょう。
派遣の履歴書FAQ
派遣社員として履歴書を作成する際の疑問を解消するためのポイントをまとめました。記入時の注意点やミスの回避方法を押さえて、印象の良い書類を目指しましょう。
記入時のチェックリスト

履歴書を仕上げる前には、まず誤字脱字がないか丁寧に見直し、企業名は略さず正式名称で記載します。年月の入力ミスがないか、ネガティブな表現を避けているかも重要です。
派遣経験がある場合は、派遣元と派遣先を明確に分けて書き、空欄が残らないよう全項目を埋めることを心がけましょう。これで基本が整います。
よくあるミスと改善策
履歴書作成の際は、修正液やペンでの塗り潰しは避け、ミスをしたら新しく書き直すのが賢明です。修正跡が多いと信頼性が損なわれる可能性があるためです。
また、派遣先によっては社名や業務内容の記載に制限がある場合も。その際は曖昧さを避け、指示に従います。職歴欄では「入社」ではなく「就業」、「退社」ではなく「派遣期間満了につき退職」と記載し、派遣特有の表現を正しく使いましょう。
今すぐ使える履歴書テンプレート紹介

履歴書作成を効率化したい人には、すぐに活用できるテンプレートがおすすめです。
派遣経験を整理しやすく、採用担当者に好印象を与えるフォーマットを参考に、自分の情報を当てはめてみてください。
派遣会社によっては、専用フォームへの入力で自動的に履歴書や職務経歴書が作成されるものもあります。
CADオペレーター・建築・設計分野の派遣ならアットキャド

アットキャドは、業界トップクラスの求人数を持つ、CADオペレーターやBIMオペレーターに特化した人材派遣・人材紹介サービスです。
20年以上の実績を持ち、スーパーゼネコンや大手設計事務所を含む2,600社以上と取引実績があり、業界トップクラスの求人数を誇ります。自社に設計部を設けているため、実際に図面を描くプロフェッショナルが在籍し、迅速なサポートが可能です。
研修制度も充実しており、初心者から経験者まで幅広く対応。登録から就業後まで徹底したフォローを行いますので安心してお仕事を探すことができます。
さらに、業界トップクラスの求人数があることから、転職のサポートも行っています。未経験からCADオペレーターやBIMオペレーターになりたい場合や、CADオペレーター・BIMオペレーターとしてキャリアアップしたい場合など、さまざまなケースに対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ~派遣の履歴書を適切に書いて採用率を上げよう~
派遣社員として履歴書を作成する際は、複数の経歴をわかりやすく整理し、自分の強みやスキルを的確にアピールすることが採用への鍵となります。特に派遣ならではの多様な経験は企業にとって魅力あるものです。
培った経験を活かし、応募職種に合わせた魅力を引き出す工夫が求められます。
本記事を参考に、採用担当者の目に留まる印象的な履歴書を作成し、理想の仕事に近づく一歩を踏み出してみませんか。

