「CADオペレーターやCAD技術者の仕事に興味がある」
「キャリアの可能性や、業界の将来性について知りたい」
という方へ、本記事ではCADの仕事について具体的な業務内容、必要なスキルから将来性まで幅広く解説します。
CADの仕事やキャリアについてよくある質問もご紹介していますので、CADの仕事に興味のある方、概要をつかみたい方はぜひご一読ください。
目次
CADオペレーターやCAD技術者の仕事とは?

具体的な業務内容
CADオペレーターやCAD技術者は、設計図の作成、図面の修正・調整、製図の管理などが主な業務。幅広い業界で活躍できる仕事です。主な業界別に仕事内容を解説します。
建築業界の場合
建築業界のCADオペレーターは、建築士が描いたスケッチやコンセプトを元に詳細な建築図面を作成します。
平面図、立面図、断面図のほか、細部にわたるディテール図が必要なことも。建設現場との調整を行いながらプロジェクトを進めていきます。
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土木業界の場合
土木業界ではインフラを整備する工事に携わり、道路、鉄道、橋梁、トンネルなどの工事に必要な設計図を作成します。
大規模な構造物が対象となるので、地質データや環境条件を考慮しなければなりません。
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製造業の場合
製造業の場合、自動車部品、電子機器、家電などの製品の詳細な設計図を作成します。製品の試作段階から量産段階までの各フェーズで設計変更や改良を行い、製造部門と連携して品質の高い製品を提供するためのサポートを行います。
その他にも、CADオペレーターやCAD技術者は様々な業界において、プロジェクトの成功に欠かせない存在となっています。
CADオペレーターやCAD技術者の必須スキル
CADの仕事を始めるには資格は必要ありませんが、専門的なスキルが必要です。特に重要な4つのスキルについて詳しく説明します。
CADソフトウェアの操作スキル
CADの仕事では、ソフトウェアの操作スキルが欠かせません。CADソフトにはたくさんの種類がありそれぞれ機能や操作性が異なりますが、最初は「汎用CAD」と呼ばれる業界や用途を問わないソフトから学ぶのがおすすめです。
CADで使用するソフトウェアについては次の章で解説します。
基本的な設計や製図の知識
CADオペレーターやCAD技術者は、建築や機械設計の原理を理解し、標準的な製図規則に従って図面を作成できることが重要です。前提となる知識があれば、設計意図を正確に図面に反映し、他の技術者や設計者との連携もスムーズに進むでしょう。
作業の正確性と注意力
CADで重要なのが作業の正確性。図面における小さなミスが、後の工程で大きな問題になる可能性もあります。
また、細かい部分まで正確に描くための注意力も不可欠です。緻密な作業をこなさなくてはならないので、細かい作業が苦にならない方に向いている仕事といえるでしょう。
コミュニケーション能力
設計者や他の技術者と連携するためのコミュニケーション能力も不可欠です。設計の変更や修正点を明確に説明したり、プロジェクトの進行状況を共有したり、良好なコミュニケーションを図ることがプロジェクトの成功につながります。
CADで使用するソフトウェア
CADの初心者がまず揃えるべきなのが、パソコン、マウス、そしてCADソフトです。作図したものを実際に出力したい場合はプリンターもあるとよいかもしれません。
代表的なCADソフトをいくつか紹介します。
- AutoCAD:2Dと3Dが作図できる汎用CADソフトで、多くの業界で利用されている
- Revit:BIM(Building Information Modeling)に特化したソフトウェアで、建築設計や構造設計、設備設計に使用される
- JW_CAD:代表的なフリーソフトで、特に建築や設備業界で多く利用される
- SolidWorks:3D CADソフトウェアで、製品設計やエンジニアリングに使用される
初心者の方は、まず無料ソフトをインストールして触ってみることから始めてもよいでしょう
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CADオペレーターやCAD技術者として働く3つのメリット

CADオペレーターの仕事は、「手に職をつけたい」と考える方にとって魅力的な選択肢です。メリットを大きく3つにまとめました。
1.将来性がある
CADオペレーターやCAD技術者は、専門的な技術や経験を活かせる職種です。需要は増加しており、建築や製造業など需要が高い分野でキャリアを築くことができます。スキルを磨く努力が評価につながりやすい仕事でもあります。
2.幅広い業界で活躍できる
CADスキルは多くの業界で必要とされています。最近では福祉やエンターテインメント分野でもニーズが高まっており、スキルがあれば業界を問わず働けます。
特定の業界に特化した専用CAD(建築CAD、設備CADなど)を使えるようになると、より多くの選択肢が広がるでしょう。業界によって仕事内容や職場の雰囲気は変わるため、自分に合った業界を選ぶことが満足度向上につながります。
3.自分の仕事が形となって見える
CADオペレーターやCAD技術者は、人の役に立つ施設や商品づくりに関わることができ、やりがいを感じられる仕事です。
努力の結果が具体的な形として見えるのも大きな魅力です。製品や建築物が完成した際、自分の関与した仕事が形となって残る喜びを感じられます。
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CADの仕事に必要なスキルを身に付ける方法

CADの仕事を探す前に、まずはスキルの習得が必要です。自分にあった学習方法を探してみましょう。
CADスクールや職業訓練の活用
CADスクールや職業訓練では、実務に直結したカリキュラムで効率的に技術が習得できます。あるいは、専門学校や大学の工学部、デザイン学部などでもCADの基礎から応用までを体系的に学ぶことができます。ある程度予算があり、効率よく学習を進めたい方におすすめです。
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オンラインコース受講や自己学習
UdemyやCourseraなどのオンラインプラットフォームを利用することで、自宅でもCADを学ぶことができます。さらに、自己学習用の教材やチュートリアルも豊富に揃っており、柔軟に学習を進められます。自己学習はコストがそれほどかからず、マイペースに進められるのが利点です。
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インターンシップやアルバイト
学習と並行して、実際の現場でインターンシップやアルバイトとして働くことで実践的なスキルを身につけることができます。現場での経験を積むことで、理論と実践のギャップを埋めることができ、即戦力としてのスキルを磨けます。
どれか一つの方法に固執する必要はありませんので、状況に応じて組み合わせてみてください。
CADの仕事における課題

CADの仕事に興味はあるけれど、時間やお金を投資する価値があるのか、業界としての課題はないのか、気になる方も多いでしょう。仕事を探す前に知っておくべき課題や注意点をご紹介します。
技術の急速な進化への対応
CAD技術者は、常に新しいソフトウェアやツールに対応する必要があります。技術の進化は非常に速く、最新の技術を習得し続けるために継続的な学習が欠かせません。新しいことを学ぶのが好きな方や、ツールを試すのが好きな方に向いている仕事といえます。
コミュニケーションの重要性
CADオペレーターは、一人で黙々とパソコンで作業する仕事と思われがちです。しかし、実際には設計者や他の技術者とやり取りする場面が頻繁にあります。「人の指示を正しく理解できる」「適切な質問ができる」といったコミュニケーション能力がなければ成り立たない仕事でもあるのです。
作業の精度と効率の両立
精密な作業を求められる一方で、納期に間に合わせるためには業務効率を高めることも大切です。CADの仕事で大変なことは、デスクワークが長時間に及ぶため、健康管理やストレス管理が欠かせないということです。
適切な休憩や運動を取り入れるなど自己管理して、長期的なパフォーマンスを維持するように努めましょう。
CADの仕事探しでよくある質問

この章では、CADの仕事についてよくある質問をご紹介します。
CADオペレーターやCAD技術者の給料や待遇は?
給料や待遇は雇用形態と業界により異なりますが、技術と経験を経てキャリアアップが可能です。
- 正社員の平均年収: 300~500万円
- 派遣社員の平均時給: 1,500~1,800円
- アルバイト・パートの平均時給: 1,000~1,300円
近年はリモートワークの普及により、在宅で仕事をする機会も増加しています。クラウドベースのCADソフトウェアやコラボレーションツールの発展で、場所を問わず働けるようになったことで、地方や海外のプロジェクトに参加する、組織に所属せずフリーランスとして働く、といった選択肢も生まれています。
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CADの仕事にはどんなキャリアプランがある?
キャリアプランの例を紹介します。
- 初級オペレーター: 基本的な製図や修正を担当
- 中級オペレーター: より複雑な設計業務を担当し、チーム内での指導役も兼ねる
- 上級オペレーター/設計者: 大規模プロジェクトの設計やマネジメントを担当し、他のオペレーターを指導
- 専門職への進展: 建築士や機械設計エンジニアなど、より専門的な職種に進む
- 管理職/プロジェクトマネージャー: CADチームやプロジェクト全体の管理を担当
ご自身の目指すキャリアをぜひ探してみてください。
CAD業界の将来性は?
特に、建築や製造業界での需要が増加しています。また、BIM(Building Information Modeling)の普及にも注目です。
BIMとは、建築に関わる情報(設計図、施工計画、材料情報、設備仕様など)を、3Dモデルとデジタル情報としてまとめて管理する手法のこと。
建物の全体像や詳細部分をリアルにシミュレーションできるので関係者同士の意思疎通がしやすい、設計の不備や施工の問題を事前に発見できるためコストの削減や工期の短縮につながりやすい、といったメリットがあります。
BIMの普及により、従来の2D CADだけでなく、3D CADやBIMソフトウェアのスキルが求められるようになり、BIMオペレーターとしてシフトチェンジするCAD技術者も増えているのです。
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AIによる業務代替の可能性は?
昨今のAIと自動化技術の進展により「CADの仕事はAIに仕事を奪われるのでは?」とお思いの方も多いでしょう。
確かに、図面修正やトレース作業(画像データを元にCADデータを作成すること)のような比較的単純な作業はAIによって代替される可能性が高いでしょう。
しかし、複雑な3Dモデリングなどの高度な技術や創造性が求められる作業には引き続き人間の力が必要です。これからのCADの仕事には、AIを活用しながら効率的に設計を進めるための新しいスキルセットが求められるようになるでしょう。先ほどのキャリアプランを参考に、自身の市場価値を高めるようなキャリア戦略を考えてみてはいかがでしょうか。
未経験からCADの仕事に就くことはできる?
未経験でCADの仕事に就くには、次のようなステップが必要です。
- 基本的なCADの知識を身に付ける
- 基本的な操作スキルを習得する
- ポートフォリオを作成する
- 実務未経験OKの求人に応募する
独学やスクールでスキルを習得したら、研修がある企業へ応募したり、派遣やアルバイトから始めたり、実務経験を積むことが大切です。
未経験者の場合でも、履歴書には学習経験や習得したスキル、インターンシップやアルバイトでの経験をしっかりと記載し、自分の意欲や学習意欲をアピールするとよいでしょう。求人情報を探すには専門の業者へ相談するのも良い方法です。自分に合った方法でスキルを磨き、就職活動を進めましょう。
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CADオペレーターの派遣会社はアットキャドがおすすめ

アットキャドは、業界トップクラスの求人数を持つ、CADオペレーターやBIMオペレーターに特化した人材派遣・人材紹介サービスです。
20年以上の実績を持ち、スーパーゼネコンや大手設計事務所を含む2,600社以上と取引実績があり、業界トップクラスの求人数を誇ります。自社に設計部を設けているため、実際に図面を描くプロフェッショナルが在籍し、迅速なサポートが可能です。
研修制度も充実しており、初心者から経験者まで幅広く対応。登録から就業後まで徹底したフォローを行いますので安心してお仕事を探すことができます。
さらに、業界トップクラスの求人数があることから、転職のサポートも行っています。未経験からCADオペレーターやBIMオペレーターになりたい場合や、CADオペレーター・BIMオペレーターとしてキャリアアップしたい場合など、さまざまなケースに対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
CADオペレーターやCAD技術者は、今後も幅広い業界で必要とされるでしょう。スキルを身につけ経験を積むことで、様々な業界で活躍できるチャンスが広がります。
未経験者でも適切な学習と経験を重ねていけば、CADの仕事に就くことは可能です。
本記事を参考に、安定したキャリアを築き、多様な業界で活躍するための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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