CADオペレーターに興味があるけれど、「やめとけ」という声が気になっていませんか?
CADオペレーターが「やめとけ」といわれる背景には、長時間のデスクワークや高い精度が求められる責任などがあります。しかし、マイナス面ばかりではなく、ものづくりの魅力ややりがいも大きい職業です。
そこで本記事では、「CADオペレーターはやめとけ」といわれる理由やCADオペレーターの適性、将来性について詳しく解説。読むことで、自分に合った職業かどうか判断する助けになるでしょう。
目次
CADオペレーターになる前に知るべき「やめとけ」の理由

CADオペレーターはなぜ「やめとけ」といわれるのでしょうか。この章では、その五つの要因を解説していきます。
長時間のデスクワーク
CADオペレーターの業務は主にデスクワークです。そのため、身体への負担が蓄積しやすい環境といえます。長時間同じ姿勢を保つデスクワークは肩こりや腰痛、目の疲労などの健康問題を引き起こす可能性があります。
CADオペレーターとして働くことを考えているなら、健康管理を意識することが大切です。定期的な休憩やストレッチを習慣化し、必要に応じて椅子や机などのオフィス環境を調整することで、身体への負担を軽減できるでしょう。
求められる高い精度と責任
次に挙げられる理由は、高い精度と責任が求められる点です。CADオペレーターの仕事では、設計図の正確さが重要視されます。
ミスが後々の作業や品質に影響を及ぼす場合もあるため、集中力の維持が必要とされ、このプレッシャーがストレスにつながることもあります。
CADオペレーターを目指す人は、この点を理解したうえで自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
単純作業が多い
CADオペレーターの主な業務は、設計者の指示に基づいて図面の修正や調整を行うことです。特にキャリア初期は同じような作業を繰り返すケースが多く、単調さを感じる場合があります。
このため、「もっとクリエイティブな仕事がしたい」と感じる人も少なくありません。自分にとってモチベーションを保ちやすい仕事なのか、事前によく考えることが必要です。
労働時間が不規則
CADオペレーターは、自分のペースで仕事を進めるのが難しい職種です。特に納期が近づくと設計者からギリギリで新たな指示が入り、その結果、長時間の残業が発生することも。一方で案件が少ない時期には業務量が減少するなど、不規則な働き方になる可能性があります。
継続的な学習が必要
CADオペレーターとして働くには、継続的な学習が欠かせません。CADの技術は日々進化しており、ソフトウェアのアップデートや新機能の導入が頻繁に行われています。
最新のツールを使いこなせないと業務効率が低下し、仕事の幅が狭まる可能性があります。そのため、CADオペレーターには学び続ける意欲が必要です。学習を負担に感じる人には、この仕事は難しいかもしれません。
CADオペレーターに向いている人の特徴

CADオペレーターの仕事には厳しい側面もありますが、この職業に適性を持つ人も多く存在します。ここでは、CADオペレーターとして活躍できる可能性が高い人の特徴をご紹介します。
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細部に注意し、正確に作業できる人
CADオペレーターの仕事は、設計図や図面を正確に作成・修正するスキルが欠かせません。そのため、細部に注意を払い、正確に作業を進められる人に向いている職業です。
図面の作成は細かい調整や設定が多く、設計図の精度がプロジェクトの品質を左右します。よって、几帳面で繊細な作業を得意とする人は、業務を効率的かつ高い品質でこなせるでしょう。
長時間集中できる人
次に、長時間にわたり集中力を維持できる人もCADオペレーターに向いています。図面作成は時間がかかる作業であり、特に大規模なプロジェクトや複雑な設計では画面に集中し、作業を進める必要があります。
継続して作業に専念できる人は、CADオペレーターとして高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
ものづくりや設計に興味がある人
CADオペレーターは、ものづくりや設計に興味を持つ人にとってやりがいを感じやすい職業です。
自分が作成した図面が、建築物や製品として形になる点がこの仕事の大きな魅力です。興味のある分野に携わることで、楽しくスキルを磨けるでしょう。
未経験でもチャレンジできる職業であるため、興味がある方はまず基本的なCADスキルの習得から始めてみるのも一つです。
チームで協力して作業を進められる人
チームで協力して作業を進められる人も、CADオペレーターに向いています。設計者や現場作業者と協力しながら作業を進めることが多く、スムーズなコミュニケーションが必要になります。
チームの連携がうまくいくと、作業効率がアップするだけでなく信頼関係も深まり、より大きなプロジェクトや責任ある業務を任されることもあるでしょう。指示や要望を正確に理解し、チームの目標を意識して行動できる人に適した職業です。
スキルアップや学習に前向きな人
五つ目の特徴は、スキルアップや学習に前向きな人です。
CADの技術は進化し続けているため、現状のスキルに満足せず、最新のソフトウェアや技術を習得し続ける姿勢が求められます。新しい技術を学ぶ意欲や向上心がある人は、CADオペレーターとして成長を楽しめるでしょう。
CADオペレーターの将来性と働き方

続いて、CADオペレーターの将来性と働き方について解説します。
建設業界の需要が期待できる
建設業界の需要が拡大するなか、CADオペレーターの需要も高まっています。日本国内では、老朽化した建築物やインフラの建て替えが進むと同時に、地震や台風といった自然災害に伴う復興需要も増加しています。
例えば、国土交通省は高度経済成長期に整備された社会インフラが今後急速に老朽化すると予測。道路橋では建設から50年以上経つ施設が、2030年には約55%、2040年には約75%に達する見込みです。
さらに、災害復興プロジェクトでは正確な設計図面や効率的な管理が欠かせません。こうした作業を支えるため、CADオペレーターの役割は今後も重要視されるでしょう。
出典:国土交通省「社会資本の老朽化の現状と将来 - インフラメンテナンス情報」
在宅勤務やフリーランスが可能
デジタルツールを使い業務を進めるCADオペレーターは、在宅勤務やリモートワークと親和性の高い職業です。実際に在宅勤務の求人も出ており、自宅でスキルを活かしながら働くことが可能。ワークライフバランスを重視する人にとって魅力的な選択肢といえます。
また、独立しフリーランスとして活動するCADオペレーターもおり、自分のスキルや経験に応じた報酬を得られるためキャリアの幅が広がるでしょう。
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AIや新技術による変化
AIの進化に伴い、CADオペレーターの業務にも変化が予想されます。簡単な図面作成や修正作業はAIに代替される可能性があるでしょう。一方で、高度な設計やクリエイティブな業務には、人間の柔軟性と創造力が引き続き必要です。
また、3DCADは設計データを立体的に扱い、複雑な構造や部品の詳細な配置を正確に再現するスキルが求められ、AIで完全に代替することは難しいとされています。こうしたスキルを習得すれば、AIによる代替リスクを軽減することが可能です。
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CADオペレーターのリアルな声

ここからは、CADオペレーターとして働いている人のリアルな声をお届けします。
CADオペレーターの日常業務
建設業界で働くCADオペレーターは、次のように業務を進めています。
- CADの配布図面や要望書への回答をチェックする
- 図面に記号・寸法線を記入するなど、図面作成のサポートを行う
- 作業がスムーズに進むように、チームメンバーとコミュニケーションを取りつつ進行する
現場作業者が見やすい図面を作成することや、徹底した図面管理を意識しているそうです。
出典:株式会社ウィルオブ・コンストラクション「CADオペレーターという職種は消える?女性CADオペが語る転職事情」
未経験からチャレンジ
次に、未経験からCADオペレーターとして働き始めた女性の体験談をご紹介します。元々は事務職として入社し、クライアントに納品するCADデータの内容を理解するためにCADを学び始めたそうです。その後、スキルが身に付いてきたタイミングでCADオペレーターの部署に異動しました。
細かい作業をコツコツと進めるのが得意だったことから、CAD業務は自分に合っていると感じています。また、事務職時代よりも給料が上がり、そうした面でもCADオペレーターになってよかったと感じているそうです。
このように、未経験からでも自身の特性を活かしながらスキルアップできるのが、CADオペレーターの魅力の一つです。
出典:株式会社アイデム「『CADを覚えたら食いっぱぐれない』は本当なのか!?」
フレキシブルな働き方ができる
最後はお子さんのいる女性CADオペレーターの体験談です。彼女が感じるCADオペレーターの魅力は、柔軟な働き方ができること。通院が必要なお子さんを育てる中で、時短勤務やリモートワークができるおかげで仕事を続けられているそうです。
また、CADオペレーターのリモートワークは介護との両立にも有効です。例えば高齢の両親を介護しながら、在宅でCAD業務をこなしている人もいます。このように、ライフスタイルに合わせて働き方を選べる点もCADオペレーターのメリットです。
出典:トライアングルライフ「主婦に、ママにCADオペレーターが最適な仕事。実体験エピソード3選。」
CADオペレーターに関するよくある疑問

この章では、CADオペレーターに関するよくある疑問についてお答えします。
CADオペレーターに求められるPC操作のレベルは?
CADオペレーターに必要なスキルは、基本的なPCスキルとCADソフトの操作スキルです。特にAutoCADなどの主要なソフトウェアを使いこなす必要があるでしょう。
さらに、簡単なデータ管理や表計算ソフト(Excelなど)の操作も業務に役立ちます。例えばExcelの関数を活用すれば図面管理の効率化が可能です。
ただし、初めから完璧なスキルを持っている必要はありません。操作スキルは実務や自主学習を通じて向上できます。
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未経験からCADオペレーターになるにはどうすればいい?
未経験からCADオペレーターを目指す場合、まずは初心者向けのスクール、オンライン講座、または職業訓練校で基本的なCADソフトの使い方を学ぶのがおすすめです。これらの講座では、ソフトの操作方法だけでなく、実務に直結するスキルや基礎知識を習得できます。
その次のステップとして、未経験者歓迎の求人を探してみましょう。このとき、CADの資格を取得していると就職活動を有利に進めることができます。
代表的な資格は「CAD利用技術者試験」です。資格はスキルの証明となり採用担当者からの信頼を得やすくなります。
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CADオペレーターの収入は実際どれくらい?
経験やスキル、働く業界によって異なりますが、CADオペレーターの平均年収は約300万〜450万円といわれています。
未経験者の年収は経験者と比べて低めに設定される傾向がありますが、経験を積みながら高度なスキルを身に付けたり資格を取得したりし、収入をアップすることが可能です。また、フリーランスに転身、もしくは専門分野に特化したスキルを持つことで、高収入の案件を得られる可能性が高まります。
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CADオペレーターと設計者の違いは?
CADオペレーターと設計者は、その役割や求められるスキルに明確な違いがあります。CADオペレーターは設計者の指示に基づき図面を作成・修正する専門職ですが、設計者はプロジェクトの全体設計を計画する役割を担います。
さらに、設計者はCADオペレーターよりも広範な知識や責任が必要です。
(設計者に必要とされるスキル・知識例)
- 建築物の構造や機能
- 材料の選定
- マネジメント力 など
CADオペレーターとして経験を積むことで、設計者へとステップアップするキャリアパスも描けます。設計者に求められる専門知識を学び、必要に応じて資格を取得することでキャリアの幅を広げられるでしょう。
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まとめ
本記事では、「CADオペレーターはやめとけ」といわれる理由や職業の適性、働き方について解説しました。CADオペレーターは、身体的な負担や精神的なプレッシャーが伴う職種ですが、ものづくりに興味があり、集中力や向上心のある人にとってはやりがいを感じられる仕事です。
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