【初心者から経験者まで】Vectorworksの使い方と活用術を徹底解説

2024年12月20日

Vectorworks

Vectorworks(ベクターワークス)は、世界中で広く使用され、初心者からプロまで幅広いユーザーに支持されるCADソフトです。

本記事では、Vectorworksの基本情報から活用方法、最新バージョンの新機能や今後の展望までを解説します。Vectorworksの使い方をこれから学びたい方、実務で活用していきたい方は必見です。

Vectorworksとは

Vectorworks
出典:https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2024/

幅広いユーザーに利用されているVectorworks。この章ではVectorworksの基礎知識について解説します。

Vectorworksの特徴

Vectorworksは、米国Vectorworks 社が開発している2D/3D設計やBIM機能に対応した汎用CADソフトです。

2D図面の作成はもちろん、3Dモデリングや近年建設業界において注目されるBIM(Building Information Modeling)機能も搭載されており、設計から施工までの一貫したデータ管理が可能です。

初心者でも使いやすい一方、プロのニーズにも応える高度なツールやカスタマイズ機能を備えているため、さまざまなプロジェクトに柔軟に対応できる点が魅力です。

Vectorworksの種類

Vectorworksには、ユーザーのニーズに応じた5つの製品がラインナップされています。

  • Design Suite:全機能を統合した最上位版
  • Architect:建築設計に特化、建築図面や3Dモデリングが可能
  • Landmark:景観デザイン(地形モデリングや植栽計画、外構デザインなど)に対応
  • Spotlight:舞台やイベント設計(照明やセットデザイン、機材配置など)に対応
  • Fundamentals:Vectorworksの基本機能を網羅したエントリーモデル

ライセンス形態も「永続ライセンス(スタンドアロン版)」や「ネットワーク版」などがあり、用途に応じた選択が可能。個人ユーザーから企業規模のプロジェクトまで幅広く対応しています。

Vectorworksと他のCADソフトとの違い

Vectorworksが他のCADソフトと異なる大きな特徴は、その多機能性と直感的な操作性です。

2D/3D設計やBIM機能の統合度が高く、これらを一つのソフトウェアでシームレスに利用できるほか、データ管理やファイル出力の柔軟性も高く、多様なフォーマットに対応しています。

初心者から経験豊富なプロまで使いやすく設計されているのがVectorworksの強みです。

▼CADソフトの比較についてはこちらの記事もご覧ください。

Vectorworksでできること

次に、Vectorworksの主要な機能について解説します。

2D/3Dデザインの作成

Vectorworksは、直感的な操作で詳細な2D図面と高度な3Dモデリングを効率よく作成できるツールです。

2Dでは、平面図や立面図を迅速に作成でき、正確な寸法やレイアウトの管理が可能です。

一方、3Dモデリングでは、複雑な構造やデザインをリアルに再現できるため、クライアントへの提案資料としても効果的です。

BIM機能によるプロジェクト管理

VectorworksのBIM機能は、建物の3Dモデリングに材料や構造、設備、コストなどの属性情報を統合し、設計から施工までのプロセスを一元管理できます。

クラウド技術を活用することで、異なる場所にいるチームがリアルタイムで協働作業を行える点も特徴です。

また、関係者間でデータを共有することで、プロジェクト運営が円滑に進められ、設計品質の向上と時間の節約に役立ちます。

▼BIMについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

柔軟なデータ管理・出力

Vectorworksは、PDF、DWG、DXF、IFCなどの多様なファイル形式に対応しており、他のCADソフトやプロジェクト管理ツールとの互換性が高い点が特徴です。

たとえば、AutoCADで作成されたデータをVectorworksにインポート、あるいは完成した設計データを他のソフトで開ける形式でエクスポートすることができます。

参照:Vectorworks プロダクト別機能比較

ワークフローの効率化とカスタマイズ

Vectorworksには、作業効率を向上させるためのレイヤ管理機能(図面を階層化・管理するための機能)やカスタマイズ可能なツールが備わっています。

カスタマイズの例では、ツールバーやメニュー配置を変更して頻繁に使用するツールのみ表示させるようにしたり、繰り返し使用する設計要素や設定を保存したりすることができます。

Vectorworksの活用方法

Vectorworksの活用方法

Vectorworksは、その多彩な機能を活かしてさまざまな分野で活用されています。本章では、4つの主要な分野での具体例を交えた活用方法を紹介します。

Vectorworksの活用方法1:建築

建築設計では、2D図面と3Dモデリングを一貫して作成できる点を活かし、たとえば作成した平面図のデータを基に3Dモデルを生成することで、建物全体のイメージを立体的に把握できます。

レイヤー機能を使えば建築構造、内装、設備などを別々のレイヤーで管理でき、シンボル機能では、ドアや窓といった設計要素を登録し再利用することで、作業効率を大幅に向上させることができます。

大規模なプロジェクトでも、設計変更に柔軟に対応できる点が特徴です。

Vectorworksの活用方法2:インテリア

インテリアのデザインでは、たとえばリビングルームの場合、ソファやテーブルの配置をシミュレーションしたり、照明効果を調整して空間の雰囲気を表現したりすることができます。

3Dレンダリング機能を活用すれば、高品質なビジュアルをクライアントに提示することができ、設計意図を的確に伝えられます。色や素材の変更も簡単に試せるため、デザインのバリエーションもすばやく作成できます。

Vectorworksの活用方法3:景観デザイン

景観デザインには「Landmark」モジュールを利用し、たとえば公園の設計では、地形データをもとに植栽や舗装を計画し、照明計画を含めた全体像をシミュレーションできます。

GIS(地理情報システム)との連携により、現地の地形データを取り込み、リアルなモデルを作成することも可能。植物の成長を考慮したデザインも行え、持続可能な設計の実現に役立ちます。

Vectorworksの活用方法4:舞台・イベント設計

舞台やイベント設計では「Spotlight」モジュールが活躍します。

たとえば、ライブイベントの会場設計では、照明器具やセットの配置を正確に計画できます。ライトの種類や角度、明るさを調整することで、最適な演出効果をシミュレーション可能です。

また、視覚的な資料を作成することでクライアントやスタッフへの説明がスムーズになり、施工段階でのミスを防ぐことができます。

Vectorworksを学ぶ方法

Vectorworksを学ぶ方法

Vectorworksを効果的に活用するには、基本操作から応用までの学習が必要です。自分に合った学び方を選んでみましょう。

無料体験を活用

Vectorworks初心者の方は、30日間の無料体験期間を活用すると良いでしょう。製品版とほぼ同じ機能を備えているので、実際の操作感や機能性を試すことができます。

無料体験版は「評価版」と呼ばれ、利用するにはGoogleアカウントなどのソーシャルアカウントでログインするか、アカウントの作成が必要です。

自分にとって使いやすいか判断するために、まずは評価版をダウンロードしてVectorworksに触れてみてください。

参考:Vectorworks 2024 評価版のダウンロードについて

公式サイトや関連書籍の活用

公式サイトには、初心者向けのチュートリアルやFAQ、実践的なガイドが豊富に用意されています。これらを利用すれば、独学でも基本から応用まで学ぶことが可能です。

また、公式セミナーでは、プロの講師による実践的な指導が受けられるため、具体的な操作方法やコツを効率的に学べます(定例Webセミナーは現在休止中、カスタマイズセミナーは実施中)。

関連書籍も数多く出版されており、操作手順や応用テクニックをわかりやすく解説しています。自分のペースで進めたい方にはおすすめです。

オンライン講座やCADスクールの活用

短期間で効率的に学びたい方には、オンライン講座やCADスクールが良いでしょう。特に、スクールではプロの指導のもと、実務に直結するスキルを習得できます。

また、受講者の進捗に合わせたカリキュラムが組まれているため、初心者でも安心して取り組むことが可能です。

オンライン講座なら、自宅で自分のペースに合わせて学べるため、忙しい方でも効率よく学習できるでしょう。

▼あわせて読みたい

Vectorworksのアップデート情報と今後の展望

Vectorworksのアップデート情報と今後の展望

Vectorworks最新バージョンの注目の機能と、今後の展望について解説します。

Vectorworks最新バージョンの新機能

2025年1月発売の「Vectorworks 2025 日本語版」では、ユーザーから寄せられたフィードバックをもとに、設計業務やデザイン作業をより効率的にするための取り組みが強化されています。

サイトではVectorworks 2025の新機能の一部を動画で確認できます。

Vectorworks最新バージョンの新機能

出典:https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2025/pre/index.html

特に注目すべきポイントは以下の通りです。

ユーザーインターフェースの刷新

操作性向上を目指してユーザーインターフェースが一新。表示バーやツールバーの再配置により、よく使用する機能へのアクセスがスムーズになりました。

リアルタイムプレゼンテーション機能の強化

新しいプレゼンテーションツールでは、デザインをリアルタイムで視覚化し、クライアントやチームメンバーとその場で確認・修正が可能になりました。この機能により、コミュニケーションの手間を省き、意思決定が迅速化します。

BIM機能の強化

建築情報モデリング(BIM)に関連する機能がさらに充実。

具体的には、データの共有や管理がより効率的になり、複雑なプロジェクトでも情報の一元管理が可能です。設計と施工の一体化が進み、プロジェクト全体の精度向上が期待できるでしょう。

Vectorworksの今後の展望

Vectorworksは、業界のニーズに応じた進化を続けています。今後は、BIM機能がさらに強化され、複雑なデータ処理や情報共有の効率化も進む見込みです。

また、AI技術を活用した設計支援ツールの開発により、最適なレイアウトやデザイン提案が可能になり、設計者の作業負担軽減と創造性向上が期待されています。

さらに、クラウド連携や自動化機能の強化により、データ管理や作業効率が向上し、デザインの質も一段と高まるでしょう。

これからVectorworksを学ぶ方はもちろん、これまで使ってきた方も、新機能をチェックしてぜひ日々の実務にお役立てください。

CADオペレーターの派遣・転職はアットキャドへ

CAD 派遣

アットキャドは、業界トップクラスの求人数を持つ、CADオペレーターやBIMオペレーターに特化した人材派遣・人材紹介サービスです。

20年以上の実績を持ち、スーパーゼネコンや大手設計事務所を含む2,600社以上と取引実績があり、業界トップクラスの求人数を誇ります。自社に設計部を設けているため、実際に図面を描くプロフェッショナルが在籍し、迅速なサポートが可能です。

研修制度も充実しており、初心者から経験者まで幅広く対応。登録から就業後まで徹底したフォローを行いますので安心してお仕事を探すことができます。

さらに、業界トップクラスの求人数があることから、転職のサポートも行っています。未経験からCADオペレーターやBIMオペレーターになりたい場合や、CADオペレーター・BIMオペレーターとしてキャリアアップしたい場合など、さまざまなケースに対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。

CADのお仕事を探す

Vectorworksまとめ

初心者からプロまで幅広く利用されるVectorworksについて、多彩な機能や活用事例をご紹介しました。

今後のアップデートでは、BIM機能の進化やAI技術の導入により、設計業務の効率化とデザインの質向上が期待されます。これらを活用すれば、より創造的で効率的な作業環境を実現できるでしょう。

Vectorworksを活用し、より高度で効率的なプロジェクト運営を目指してみてはいかがでしょうか。

CADオペレーター 派遣

CAD 研修 無料

© Atcad. All rights reserved.