施工管理技士の難易度ランキング|1級・2級・職種別の合格率を比較!

2025年11月25日

施工管理技士の難易度ランキング|1級・2級・職種別の合格率を比較!

「施工管理技士って、どの職種や級から受けたらいいんだろう?」「難易度は職種によってどれだけ違うの?」。そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

施工管理技士は、建設業界でキャリアを築くうえで欠かせない国家資格。しかし、7つの職種や1級・2級の違い、さらには一次・二次試験の構成など、最初は分かりにくい点も多いものです。

この記事では、職種別の難易度や合格率を比較しながら、自分に合った資格の選び方を紹介します。勉強時間の目安やおすすめの学習法も解説していますので、「働きながら資格を取りたい」と考える方もぜひ参考にしてください。

施工管理技士の種類と特徴

施工管理技士の種類と特徴

建設現場で中心的な役割を担う「施工管理技士」は、建物やインフラの施工担当者であれば取得しておきたい資格です。

そんな施工管理技士は、扱う工事の分野によって7つの職種に分かれます。ここでは職種ごとの特徴を紹介しますので、キャリアを考えるときの参考にしてください。

施工管理技士7職種とは

施工管理技士には、次の7つの職種があります。いずれも「1級」と「2級」に分かれていて、対象となる工事分野や仕事内容には明確な違いがあります。

さらにいえば、建築施工管理技士と電気工事施工管理技士の検定を実施するのは「一般財団法人 建設業振興基金」。他の5つの検定を実施するのは「一般財団法人 全国建設研修センター」と違う点も覚えておきましょう。

職種名対象となる工事・分野主な仕事内容・特徴
建築施工管理技士住宅・ビル・商業施設・公共建築物などの建築工事建物の施工全体を統括。品質・工程・安全・原価の4大管理を行い、建築物を完成に導く。
土木施工管理技士道路・橋・ダム・トンネルなどの土木構造物社会インフラを支える現場で、測量や地盤管理、施工計画などを統合的に管理。
管工事施工管理技士給排水・空調・ガス・衛生設備などの配管工事設計図に基づく配管計画から施工管理までを担当。
電気工事施工管理技士照明・配電・変電設備などの電気工事電気設備の施工を管理し、安全で効率的な電気供給を実現するのが主な仕事。
電気通信工事施工管理技士光ファイバー・通信ケーブル・無線基地局などの通信工事情報インフラを構築する分野。近年は5Gや通信ネットワーク拡張で需要が急増。
造園施工管理技士公園・緑地・庭園・屋上緑化などの造園工事緑地環境をデザインし、施工・維持管理を行う専門家。
建設機械施工管理技士ショベルカー・ブルドーザーなど建設機械を用いた工事重機を使う土木・造成現場で活躍。安全運転と効率的施工の両立を図るマネジメントスキルが求められる。

表を見てわかるように、職種によって携わる工事の分野は大きく異なります。建築や土木施工管理技士のイメージが強いですが、電気・管・通信などの設備系は専門性の高さが魅力で、手に職をつけたい方から人気があります。

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資格を取得するメリット

施工管理技士の資格を取得する最大の魅力は、キャリアアップと収入アップの両立を期待できる点です。

資格を持っていれば現場でも信頼され、より責任ある仕事を任せてもらいやすくなります。さらに、建設業界は資格手当を設けている企業が多く、1級や2級を持っているだけで年収アップを叶えられる可能性大です。

また、公共工事の現場で「主任技術者」や「監理技術者」として配置されるための要件資格である施工管理技士を取得すれば、キャリアの選択肢が一気に広がります。建築・土木・設備など多様な現場に関わるチャンスに恵まれるほど専門知識も増え、仕事への理解も深められるでしょう。

その結果、一般社員からリーダー的ポジションへとステップアップできれば、マネジメントスキルも備わり、長く活躍できる道が開かれるでしょう。

転職や独立を視野に入れている方にも、施工管理技士の資格取得はおすすめです。建設業界は常に有資格者を求めており、国家資格を持っているだけで即戦力として評価されるようになります。

特に実務経験を積みながら資格を取得した方は、専門性と現場対応力を兼ね備えた存在として、転職市場でも引く手あまたです。

難易度を測る!職種別・級別の試験概要

難易度を測る!職種別・級別の試験概要

施工管理技士の資格を目指すうえで気になるのが、「1級と2級の違い」や「試験の仕組み」です。試験は等級や段階ごとに求められる知識・経験が異なり、近年は制度改正も行われています。

ここでは、最新の情報をもとに、施工管理技士試験の全体像と難易度のポイントをわかりやすく整理していきます。

1級と2級の違い

どの職種でも施工管理技士には1級と2級があり、それぞれで担当できる工事の規模や現場での役割は大きく異なります。

たとえば、1級取得者は「監理技術者」として、大規模工事や特定建設業の現場を統括できるようになり、企業の中核として活躍できます。一方、2級は「主任技術者」として一般建設業の現場を中心に、小・中規模の工事で責任者を務められるのです。

また、令和6年度からは「技士補(ぎしほ)」制度が新設されました。これは、1級第一次検定(旧・学科試験)に合格した人にのみ付与される資格で、監理技術者の補佐として現場に従事できるものです。

建設業の人手不足解消を目的に新設された資格ですが、実務を経験しながらのステップアップが可能になったことで、より柔軟なキャリア形成が実現できるようになりました。

第一次検定と第二次検定の違い

施工管理技士の試験は、「第一次検定」と「第二次検定」に分かれています。第一次検定は学科中心の筆記試験で、施工管理の基礎知識や関連法規、安全管理などを幅広く問われる、いわば“知識の総合テスト”です。

一方の第二次検定は、実務経験と応用力を問う記述式の試験です。現場で起こり得る課題や施工計画、安全対策の立案など、実践的な問題が出題されるのが特徴です。単に暗記するだけではなく、実際の経験や判断力をもとに答える力が求められるため、一次よりも難易度は高くなります。

合格基準はおおむね「正答率60%前後」が目安です。

受検資格

施工管理技士の受検資格は、令和6年度から大きく緩和され、若い世代でも早期に資格取得を目指せるようになりました。

等級改正後(令和6年度〜)の受検資格
1級・第一次検定受検年度末の時点で19歳以上
2級・第一次検定受検年度末の時点で17歳以上
第二次検定(1級・2級)一次合格後、所定の実務経験で受検可能(経過措置あり)

職種別に見る!1級施工管理技士の難易度ランキング

職種別に見る!1級施工管理技士の難易度ランキング

1級施工管理技士は、国家資格の中でも「現場責任者の証」として高く評価される資格ですが、職種によって試験内容や実務範囲が異なり、難易度にも大きな差があります。ここでは、一次・二次・最終合格率をもとに、難易度の高さをランキング形式で紹介します。

順位資格第一次・第二次・ストレートの合格率
1位建設機械施工管理技士(1級)第一次検定:27.8%
第二次検定:48.4%
最終合格率:13.5%
2位建築施工管理技士(1級)第一次検定:36.2%
第二次検定:40.8%
最終合格率:14.8%
3位電気通信工事施工管理技士(1級)第一次検定:40.5%
第二次検定:40.9%
最終合格率:16.6%
4位電気工事施工管理技士(1級)第一次検定:36.7%
第二次検定:49.6%
最終合格率:18.2%
5位造園工事施工管理技士(1級)第一次検定:45.4%
第二次検定:40.0%
最終合格率:18.2%
6位土木施工管理技士(1級)第一次検定:44.4%
第二次検定:41.2%
最終合格率:18.3%
7位管工事施工管理技士(1級)第一次検定:52.3%
第二次検定:76.2%
最終合格率:39.9%

参考:一般財団法人 全国建設研修センター「技術検定試験 合格発表公表資料
参考:一般財団法人 建設業振興基金「過去の受検状況・検定問題・合格基準

1級施工管理技士は、ほぼ全ての職種の合格率が2割前後と難易度が高く、専門知識だけでなく実務経験やマネジメント力が求められます。一次・二次の両方で実践的な判断力が問われるため、現場を深く理解している人ほど有利です。

まずは自分が得意な職種や経験のある分野から挑戦すると効率的です。特に建築や土木など実務経験が積みやすく、知識と現場力を結びつけやすいため、初めて受ける方にはおすすめです。

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職種別に見る!2級施工管理技士の難易度ランキング

職種別に見る!2級施工管理技士の難易度ランキング

2級施工管理技士は、現場での副主任・補佐的立場として活躍できる資格で、1級と比較すると受検資格のハードルが低く、実務経験の浅い人でも挑戦しやすいといえます。

ただし、「基礎力重視」の問題が中心に出題され、職種ごとでも傾向が異なります。

順位資格第一次・第二次・総合の合格率
1位土木施工管理技士(2級)第一次検定:44.6%
第二次検定:35.3%
最終合格率:15.7%
2位建築施工管理技士(2級)第一次検定:48.2%
第二次検定:40.7%
最終合格率:19.6%
3位建設機械施工管理技士(2級)第一次検定:41.2%
第二次検定:51.8%
最終合格率:21.3%
4位電気工事施工管理技士(2級)第一次検定:47.5%
第二次検定:51.4%
最終合格率:24.4%
5位造園工事施工管理技士(2級)第一次検定:51.1%
第二次検定:62.4%
最終合格率:31.9%
6位電気通信工事施工管理技士(2級)第一次検定:68.6%
第二次検定:53.2%
最終合格率:36.5%
7位管工事施工管理技士(2級)第一次検定:65.1%
第二次検定: 62.4%
最終合格率:40.6%

参考:一般財団法人 全国建設研修センター「技術検定試験 合格発表公表資料
参考:一般財団法人 建設業振興基金「過去の受検状況・検定問題・合格基準

2級施工管理技士は、全体的に1級より合格率が高く、実務経験の浅い人でも挑戦しやすい資格といえます。

将来的には1級を目指す第一歩として位置づけられているため、まずは2級を取得してから経験を積み、段階的にステップアップするのが理想です。キャリアアップを目指す若手や中堅層は、資格に挑戦することで専門性と現場力の両方を着実に高められるでしょう。

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取得を目指す職種・級はどう決める?

取得を目指す職種・級はどう決める?

施工管理技士を目指すとき、まず悩むのが「どの職種・級から受けるか」ではないでしょうか。決める際には合格率や難易度だけを参考にするのではなく、自身の経験やキャリアプランなども含め、さまざまな角度から考えてみましょう。

ここでは、無理のない職種選びと級の決め方を解説していきます。

難易度から無理のない資格を決める

同じ施工管理技士でも、職種や級によって難易度は大きく異なります。1級はどの職種も合格率が半分に満たず、知識から実務経験、判断力までもが問われます。

初めて挑戦するのであれば、まず合格率が比較的高い職種や2級からスタートしましょう。モチベーションを維持しながら、コツコツと学習を進められます。

自分のキャリア・専門領域から職種を選ぶ

現場経験や興味のある分野に合わせて職種を選ぶことも重要です。建築・土木・設備など、自分が実際に携わっている仕事と関連させると学習内容が理解しやすく、試験勉強の効率も良くなります。

将来1級を取得して監理技術者を目指すのであれば、経験のある分野から段階的にステップアップするのがおすすめです。

実務経験の有無で級を決める

実務経験の有無は、受検する級を選ぶうえで非常に重要です。2級は未経験者や経験が浅い方でも受検が可能ですが、1級はさらに責任範囲が広まり、一定の実務経験が求められます。

それも自身の経験量と目標を照らし合わせ、現実的な級を選ぶことで合格への道筋が見えてくるでしょう。

施工管理技士の勉強時間の目安と学習法

施工管理技士の勉強時間の目安と学習法

施工管理技士に合格するためには、計画的な学習が求められます。学校や仕事があり、勉強時間が限られる方であればなおさらです。

ここでは、施工管理技士試験の勉強時間の目安や効率的な学習法、さらに合格のためのポイントをまとめて紹介します。

勉強時間の目安は最大400時間

施工管理技士1級の勉強を未経験から始めるのであれば、約400時間の学習が必要とされています。2級では、100〜300時間程度が目安です。

学習時間を逆算して、1日あたりの勉強時間や学習期間を計画すると、合格への道のりが見えてきます。

勉強方法は独学とスクールの2択

施工管理技士試験の勉強方法は、大きく分けると「独学」と「スクール利用」の二択です。

自分でテキストを揃えて過去問に取り組む独学は費用を抑えられるだけでなく、自分のペースで学習を進められるというメリットがあります。しかし、自己管理能力が求められたり、疑問点の解決に時間がかかったりするデメリットがあることも事実です。

一方、スクール利用は独学に比べると高額な費用が発生しますが、多くのスクールでは二次試験の記述添削や過去問対策など、手厚いサポートを受けられます。オンラインスクールを選べば、通勤・通学や休憩時間などの隙間時間にも勉強できます。

初めて1級を受検する方や、苦手分野が多い方には、充実したサポートを期待できるスクールの利用がおすすめです。

合格のための最重要ポイントは?

まず一次試験では過去問を繰り返し解き、出題パターンや基礎知識をしっかり身につけましょう。知識の定着を図ることで、計算問題や法規、安全管理の問題にも対応できるようになります。

二次試験では、実務経験を活かした記述問題への対応力が問われるため、具体例を交えながら、現場での判断や手順を文章で説明できる練習を重ねることが重要です。自信をつけるためには、長期的な学習計画を立て、日々の勉強を習慣化していきましょう。

学習計画の例としては、1日2時間を週5日、半年から8ヵ月程度かけて一次試験の学習を行い、その後二次試験対策に移行する方法が効率的です。一次試験の知識を定着させながら、二次試験に必要な記述練習を段階的に取り入れることで、無理なく合格に近づけます。

計画的に教材と過去問を活用し、実務経験と結びつけた学習を進めていきましょう。

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CADオペレーターとして建設・建築業界に携われば、施工管理技士に求められる知識や技術を日常的に学べるようになります。その経験が、きっと合格への道筋を明るくしてくれるでしょう。

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まとめ

施工管理技士は、現場での経験をより確かな実力として証明するのに非常に有効な資格です。難易度は決して低くありませんが、計画的な学習と実務経験の積み重ねがあれば、着実に合格へ近づけます。

自分のキャリアや働き方に合った方法を選び、学び続ける姿勢を持つことが何よりの成功の鍵です。資格取得を通じて、より誇りを持てる「現場のプロ」へと成長していきましょう。

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